第3章半導体・電子管・電子回路
(6)FETの特徴と半導体の温度特性
今回は 前回お話を致しました電界効果トランジスター
(FETトランジスター)の特徴と半導体の温度特性のお話
しを致します。
1.FETの特徴
(a)トランジスターの場合、ベースとエミッター間が入
力となりベースには Ib が流れる事から 入力インピ
ーダンスが低いのですが、接合型FET では、入力と
なるゲートとソース間が逆バイアスですのでゲート
電流が殆ど流れない為、入力インピーダンスが高い
事になります。
特に MOS型FET は、ソースとドレイン間のチャン
ネルの上に酸化シリコンの絶縁物が有る為、ゲート
とチャンネルの間には電流が流れませんので入力イ
ンピーダンスが極めて高い事になります。
(b)周波数特性が良い。
増幅回路は、周波数が0[Hz](直流) ~高周波までど
んな周波数でも 増幅出来る訳では なくそれぞれあ
る範囲の周波数の信号しか増幅出来ません。
それぞれの周波数でどの位の増幅度が有るのかをグ
ラフにしたものを周波数特性と言います。
皆様がライブで聞こえた音がミュージック・プレー
ヤーで聞くとシンバルの音が聞こえないとか体を揺
する様なベースの音が聞こえないと言う経験はあり
ませんか?これはボーカルの声の周波数の増幅率に
比べてシンバルの様な極高い周波数やベースの様な
極低い周波数の増幅率が低い為です。 ( 勿論、スピ
ーカーの様に電気信号を音に変える装置が全ての周
波数の電気信号を 音に換えられない事も理由の1つ
です。)
下の図は、”負帰還増幅” の説明の為に描いた図です
が周波数毎の増幅率(度)を表しています。
FETは 少数キャリア蓄積効果 が無いため 動作が速
くなりますので周波数特性性が良くなります。
上のグラフで言いますと負帰還があるときの様に 増
幅度が一定の範囲が広くなります。
[少数キャリア蓄積効果とは]
次の図をご覧下さい。
続きは、10月の「法規」と「工学」のぺージでお読み下
さい。
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