ちょっと寄り道 【川越市】 2014年4月20日
東京までの歩き旅を終えたら、行ってみたい街があった。
私はNHKの「世界ふれあい街歩き」という番組が好きでよく見る。
現地の人たちの生活が垣間見える狭い路地に入り込んで行くところは私の旅のスタイルと同じでうれしくなるのだ。
その番組で川越市を紹介したことがあった。
小江戸と呼ばれる伝統のある街で立ち並ぶ蔵の映像がとても魅力的だった。
ここまで来たのだからぜひ見たい。
と、言うわけで川越市に行ってみることにした。
例によって、事前の下調べはまったく無しである。
そもそも川越市の位置さえも良く分かっていないのだった。
川越までのルートも電車の乗り方もさっぱり分からかったのだが、それでも川越駅まで来ることが出来た。
観光のメインである“蔵づくりの町並み”へは本川越駅で降りたほうが近いのだということに気がついたのは川越駅で降りてからのことである。
やはり事前に調べておけば時間もエネルギーのロスも少なくて済むのである。
ディパックを背負ったまま駅を後にして歩き出す。
コインロッカーを使わないのは単にお金をケチったからであるが、
これが疲れを倍増させてしまったと気づいたのは2時間後のことだ。
4月の20日だというのにとても寒かった。
いまにも雨が落ちてきそうな曇り空である。
まずは“蔵づくりの町並み”を目指して歩き出す。
アメ横?みたいな賑やかな通りを進む。
私はこのような若者向けの店が連なる通りは苦手である。
そこで脇の小路を進むことにした、住宅街だから人通りはほとんど無い。
マンホールの蓋の写真を撮るのは習慣になってしまっている。
このマンホールの蓋のデザインはとても良い。
本川越駅前を通る。
こんどは別のデザインのマンホール蓋。カラーバージョンだ。
“蔵づくりの町並み”まではけっこう距離があった。
途中の厳島神社では縁日ということでお祭りをやっていた。
タイからの観光客が記念写真を撮っていたので後方からパチリ。
日本への観光がビザ不要になったので急激にタイからの観光客が増えているそうだ。
タイでは日本に観光キャンペーンが大々的に行われているのだ。
このように観光でたくさんの外国人が来てくれるのはすばらしいことである。
古いお店が“その古さゆえに”人気になり、観光客を呼ぶ目玉にもなっている。
がっしりとした蔵作りの商家。
強固なつくりゆえに壊して新しく建て直せなかったのだろうか、
それとも伝統のあるこの建物を残そうとして現在に至ったのだろうか。
銀行を思わせる石造りの建物。
こういう雰囲気の建物は昭和の中頃まであちこちに残っていたものだ。
だが耐震性の問題とか使いにくいとかでほとんどが消えてしまった。
このような木造の商家は地方でもまず見かけなくなってしまった。
本当に良く残っていたものだと思う。
だが残念なのは、、、
観光のメインである“蔵づくりの町並み”の通りが歩行者専用道路でないことだ。
自家用車、バス、トラックが行きかうので落ち着いて見ていられないのだ。
写真を撮ると御覧のような状態で行き交う車を撮影しているみたいになってしまう。
バスやトラックを避けてシャッターを切ってもこのありさま。
観光地だから人が多い、車が途切れないというのは危険だろう。
NHKの番組を撮影したのは観光客の少ない時期だったのだろうか。
それとも撮影が上手だったからかな、たぶんその両方だろうな。
和服姿の女性が通って行く。
「あ、いいねえ。 この街に良く似合うなあ」と、、、
だが聞こえてきた二人の会話は中国語だった。
「はて? 地元に住む中国人の方かな」と思ったが、
観光客相手に和服の貸出しをする店があるのだった。
和服から小物、履物まで一式借りられて着付けまでしてくれるのだという。
これで小江戸の街を歩けば楽しさ倍増である。
観光業は平和産業だという。
紛争中のイラクやシリアへ観光に行こうと考える人はいないだろう。
平和だからこそお互いの国を観光して回れるのだ。
そして重要なことは互いの国を見て知ることによって理解が深まることだ。
新聞、雑誌テレビなどのメディアでは真実を曲げて伝えることもあるのだ。
そのほうが読者、視聴者の関心をひくからなのだが、、
それゆえにすべての中国人が日本に敵意を持っているような報道があったるするのだ。
最近日本から中国、韓国への観光客が激減しているという。
でも、このように日本へ来てくれる中国、韓国からの観光客はかなりいるのである。
それにしても、、
どこにでも商売上手な人はいるものだなあ。
このようなレンタル業は京都や秋田県の角館町などにもあるそうだ。
有名な“時の鐘”の回りはひとだかりがしていたので遠くから撮影。
川越本丸御殿も見たいのだが、寒いし疲れてしまったのであきらめる。
なによりお腹が空いた。
“蔵づくりの町並み”付近の食堂は込んでいたし、観光客料金なので少々高めだ。
うろうろ歩いていたら“成田山川越別院”の前へ出た。
ここは山門からだけ撮影。
その向かいに蕎麦屋があったので迷わず入る。
お腹が空いていたので食べてから「あ、写真を撮らなきゃ」
遅めの昼食を終えて駅へと戻りながら被写体を探す。
“仙波東照宮”があったので入ってみる。
どうしても鳥居が気になる。で、写真を撮る。
ロープ状の注連縄を鳥居に結び付けている。
東照宮を見てから歩いていくとバスが来た。
クラシックなボンネットバスのデザインだが新車のようだった。
こんどは川越八幡宮の前を通る。
ここの注連縄も鳥居に結びつけるタイプだ。
注連縄から下がっている房が面白い。
さらに進んでいくと小さな稲荷神社があった。
ここの注連縄は尻尾の部分が細く房のついているタイプ。
キツネの像が頭にかぶっているのは帽子?それとも耳掛けなのか。
足が重い。
目的を持って歩いているときは朝から夕方まで歩き続けても平気だったが、
ただぶらぶらと歩くほうが疲れるとは思わなかった。
もう一歩も歩きたくないという感じである。
川越駅に戻り盛岡までの切符を買う。
大宮駅まで行き、駅の売店で夕食の弁当を買う。
やはり条件反射的に割引商品に手が出てしまう私であった。