東北本線,東海道本線沿線 全線全駅歩き旅のブログ

旧東北本線と田沢湖線,花輪線,釜石線,八戸線,山田線、北上線、東海道本線、奈良線、大船渡線沿線歩き旅の記録。

熱中症で倒れる寸前までになった。

2021年08月08日 | 健康
熱中症で倒れる寸前までになった。

2021年8月

今年の夏は特に暑い。
7月の後半から30度以上の日が続き最近では35度以上の日が続いている。

この暑さの中で東京オリンピックが「無観客」で行われている。
新型コロナウィルスの感染者数が過去最高を連日更新だが、政府と総理は全くい気にしていないようで「金メダルおめでとう」というばかり。
IOCも日本政府もオリンピックと感染者数の増加は関係がない、と言っているのだが専門家の間ではおおいに関係があるとの意見のようだ。
感染者数の新記録を達成した総理大臣にぜひとも「コロナ感染者の新記録、金メダル」を差し上げたいものである。

オリンピックが「ガマン大会」になってしまったアスリートこそいい迷惑だろうな。
そのオリンピックもやっと終わる。


さて、
先日のこと、あまりに暑いので「山のほうへ行って少し涼んでみよう。」とバイクで出かけた。
お昼前に出てツーリングをして帰りにラーメンでも食べようかな、と軽い気持ちで出発したのだが、、、、

まさか熱中症でぶっ倒れる寸前までになるとは思わなかった。

山道の県道を快適に走っていくと身体に当たる風が心地よい。
「ああ、やっぱりバイクはいいなあ」



快調に走ってもうすぐ峠というあたりでバイクがふらつきだした。
「あれ、舗装がでこぼこなのかな」
ハンドルを取られそうになって、バイクを止めて車輪を見ると後輪がぺったんこ。
「ありゃー、パンクだ。これは困った。」
すでに盛岡市内から20キロほど来てしまった。完全に山の中である。
人家のあるところからでも10キロ以上はある。
山道とはいえ主要な道路だからトラックなどの交通量は結構あるのだ。
道幅は狭く側路帯など無い。しかもカーブが連続している場所だった。
人家のない山の中だからトラックがスピードを出して走ってきてわたしに気づきあわてて避けるという状態だ。

「ここにいては危ない、どこか空地を探そう。」
バイクを押して歩きだしたのだが、、、
「暑い!」 この日の最高気温は35度だった。
パンクしたのがお昼少し前だったから最も暑い時間帯だ。
道路からの照り返しもものすごくて上と下から熱波に襲われるという状態になってしまった。

バイクは重いしタイヤがパンクしているので車体がぐらつく。
100メートルも進まないうちにタイヤからチューブがはみ出してしまった。
こうなってはチューブを捨てるしかない。



バッグに小型のナイフを入れてあるのでそれでチューブを切り取って捨てた。
バイクのバランスが取れないので押して歩くのは本当に大変だ。
盛岡市方面へは下り坂だったのが唯一の救いだった。

それにしても暑い。
いつもなら水筒に水を入れ、日焼け止め、タオル、おやつのクッキーまで持って出かけるのだが「今日はちょっとそこまでだから・・」と、なーんにも持ってこなかった。
まさにマーフィーの法則というやつでなにも用意していないときにだけ災害は起きるのである。

シャツは汗でぐっしょりだ。太陽がガンガン照りつけるのだがもう日焼けのことなんか考える余裕もない。
30分ほど歩くと小さな空き地があった、日陰はないがとりあえずバイクを停める。
スマートフォンを取り出すとこんな山の中だがちゃんと電波は来ていた。
バイク屋へ来てくれるよう電話を掛けたのだが「いま忙しいので行けない。いつ行けるか分からないので別のバイク屋に電話してみたら?」とのことだった。

うーむ、どうしよう。
JAFに電話しようか、それとも・・・

そもままバイクを押して市内まで戻ることにした。

炎天下長い下り坂をトボトボとバイクを押して行くのはしんどい。
両手でハンドルを押さえなければならないし、タイヤが無い車体はぐらつくのだ。
足をステップに何度もぶつけてしまい足も赤く腫れてしまった。

パンクしたのは市内から20キロほどのところだったがそれでも2時間弱で人家のあるところまで来た。
「おお!自動販売機がある」
すぐに水を買いごくごくと飲む。
恐いのは脱水症と熱中症である。
道路を歩いているので日陰は無い、猛烈に汗をかいているので水分補給は絶対に必要なのだ。

いつもなら写真を撮ったりするのだが、もうそんな気力も消えている。

時刻は午後2時前だ。まだあと12キロは歩かなくてはならない。
山を下り切ったので道は平らになったが交通量も増えた。
車道は危険だから歩道をバイクを押しながら進んだのだが、歩道は段差が多いのでこれも大変なのだ、無理をするとバイクのホイールが傷ついたり歪んだりするからなあ。

30分も進まないうちに疲れで歩けなくなってしまった。
10分ほど休んでまた歩き出したのだが300メートルも歩くとふらふらになってしまう。
無理もない、下り坂とはいえ気温35度の炎天下で3時間近くもバイクを押しながら歩いているのだ。
「残り10キロメートルは無いだろう、ゆっくり行っても午後4時くらいには着くだろう。」と自分を励ます。
300メートル毎に10分ほどの休憩をしながら進んでいく。

途中に食堂があった。
昼食がまだである。腹が減っているし休憩も必要だ。
迷わず入りカレーを注文。水を何杯お代わりしただろうか。
何杯飲んでも身体がもっと水を飲めと要求するのだった。

食事を終えてまた歩き出す。
休憩を取ったはずなのに足が動かない。
もう完全に疲れが足にきているのだ。足首から膝にかけてズキズキと痛むようになってきた。
200メートル進んで休憩、また200メートル進んで休憩。
まだ太陽は真上にあり強烈な光線を浴びせている、目が回りそうだった。


郊外の住宅地を抜けて行くのだが少し下り坂になっているところで突然右足がつってしまった。

猛烈に痛い。
下り坂なのでバイクを押さえていないとバイクが倒れてしまう。
だが足がつってしまって身体を動かすことが出来ない。
左足で身体を支え左手でバイクを押さえながら右手で痛む右足を揉んでみる。
もう最悪である。

そのまま倒れてしまうのではと思ったのだが、10分後にはなんとか足を地面に着けるところまでになった。
だが、、、、、歩けない。
おまけに無理な態勢をしたせいか左足までも痙攣し始めたのだ。

おそらくこれは熱中症の始まりだったのだろう。
意識はあったしなんとかバイクを支えているくらいの力は残ってはいた。

もし水分を十分とっていなかったなら、もし昼食休憩をしなかったならその場に倒れてしまっただろう。

さらに10分もそこでじっとしていただろうか。
足の痛みはあるがゆっくりとなら歩けるまでになった。
そこからバイク店までは5キロメートルほどだったのだが、とんでもなく遠くに感じられた。
足が痛み、少しでも無理をすれば足がつるような状態になるのだ。
もう午後4時になろうとしている。
太陽は西に傾いてきたが暑さは続いている。
100メートル進んで休み、また50メートル進んでは休むということを繰り返していたが。
バイク店まであと1キロメートルというところでは「もうこれ以上は無理」と思うほどになってしまった。
「あと1キロだ、もう少しだ。焦るなゆっくり進め。」と自分に言い聞かせる。
日陰を見つけて道路わきに座り込んでしまったが今度は立ち上がることが出来ない、ふくらはぎは痛いし膝ががくがくしている。


なんとか歩き出しバイク店まであと100メートルというところまで来たのだが前に進むことが出来ず15分も休んでしまった。
それほど疲れと足の痛みがひどかったのだ。

午後5時過ぎにバイク店に到着、あーやれやれ。
バイク店の店主は「あー、30分もあればタイヤ交換できるよ。」とわたしの苦労など知らないから気軽な返事。
まさかこの暑さの中20キロ近くもバイクを押してきたとは思っていないのだろう。

チューブは捨ててきたからしょうがないとしてタイヤも交換することになった。
想定外の出費だがこれだけは仕方がない。

なんとか自宅までたどり着いたが歩くのがやっとの状態だった。階段の昇り降りが出来ないほど足が痛かった。
右足は腫れてしまい痛みは3日ほど続いた。

炎熱化での長時間の運動は本当に危険である。

足がつって痙攣したときじっと我慢していたのだが、もし少しでも無理していたなら倒れていただろうと思う。
街中ならだれかが救急車を呼んでくれるかもしれないが、山奥で倒れたならと思うと恐ろしい。

今回は“運よく”無事だったが今後の行動は慎重にせねばと思った次第。

追記:
パンク修理剤を買った。パンクしたらボンベから空気と穴を埋める薬剤をいれる応急処置用のものだ。
まさに「どろなわ」なのだが、さすがに懲りたのだ。

教訓:
備えあれば患いなし。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする