轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

シトロエン C5

2008-10-24 17:43:55 | CITROEN
助手 「シトロエンのC5が新しくなったみたいですね。」

所長 「もう出とるのか。」

助手 「10月の1日から発売してるはずですけどね。」

所長 「そうか。見に行きたいと思っとったんじゃ。」

助手 「へぇー所長、興味あるんですか。」

所長 「写真で見た感じでは随分と立派になっとるようじゃから、自分の目で確認したかったんじゃ。この手のクルマの場合、街で見掛けるようになるまで待っとったら、モデルチェンジしてしまいそうじゃろ。」

助手 「ハハハッ、言えてますね。でもボクはあんまりいい印象を持ってませんけど、どこがいいんですか。」

所長 「うーん、パッと見ぃシトロエンらしくなくなったじゃろ。」

助手 「ですね。BMWみたいになっちゃいましたよね。」

所長 「じゃろ。サイズも先代よりさらにひと回り大きくなっとるし、価格帯も3シリーズやCクラス、A4なんかのクラスになっとるんじゃ。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「C6でシトロエンの魅力を再構築したんで、これから出る新型車に少なからず期待しとったんじゃ。」

助手 「ですよね。C5もBX辺りをモチーフにしてくれれば面白かったんですけどね。」

所長 「ま、それは極端過ぎるとしてもC6のモチーフを生かして小さなセダンをつくれば、そこそこ需要があると思うんじゃけどな。」

助手 「それはいいかもしれませんね。」

所長 「で、出たC5はまったく正反対のドイツ車っぽいデザインになっとったから、たまげた訳じゃ。」

助手 「はい。それでどうして見たくなるんですか。」

所長 「写真で見ただけでは、わからんじゃろ。実はモノ凄くフランス車らしいクルマかもしれんしの。」

助手 「まぁ、それはないでしょうけど。」

所長 「まぁいいわ。で、考えた訳じゃ。この急激な方向転換の訳を。」

助手 「で、どうだったんですか。」

所長 「うむ、C5がシトロエンの進みたい方向で、C6の方がイレギュラーじゃという結論に達したんじゃ。」

助手 「えっ、どういうことですか。余計にわからなくなりましたけど。」

所長 「つまりシトロエンはドイツ車のように世界で売れるクルマを目指しとるということじゃ。」

助手 「でも所長、前にフランス車がフランス車らしくなくなったら、誰もフランス車を買わなくなるって言ってませんでしたっけ。」

所長 「確かにフランス車って特有の個性があるし、シトロエンはその象徴的な存在じゃろ。特に日本に置いては。じゃがその個性を推し進めてついてくるのって、結局今までのフランス車好きだけなんじゃないか。」

助手 「でもC6なんかは、その個性を生かして評価されてる訳でしょ。」

所長 「メディアやクルマ好きにはな。じゃがC6が出てもう2年も経つけど、何台見た。」

助手 「・・・・。」

所長 「じゃろ。評価が高くて成り立つんじゃったらいいんじゃが、売れんとどうにもならんからの。」

助手 「でも、でもですよ。じゃあ今度のC5だったら売れると思うんですか。結局日本では、どんなクルマを持ってきても、売れないんですよ。所詮フランス車はマイナーな存在ですからね。」

所長 「うーん、確かにいきなり売れるというのは想像しにくいの。じゃが時間を掛けてゆっくりと育てれば、徐々に増えていくような気がするんじゃがな。」

助手 「どうしてそう思うんですか。ドイツ車のようなカッコになれば、売れるとでも思ってるんですか。ボクはそんなことないと思いますよ。結局ユーザーが見てるのはデザインじゃなくってブランドなんじゃないですか。」

所長 「そうじゃ。じゃからC6が必要になるんじゃ。」

助手 「えっ、どういうことですか。」

所長 「つまりC6はシトロエンの広告塔なんじゃ。C6は思いっきりシトロエンらしいデザインをアピールしてじゃな、ブランドイメージを高めるためのクルマじゃと思えるんじゃ。」

助手 「うーん、と言うと日産のGT-RやホンダのNSXみたいなモノですか。」

所長 「キャラクターはまったく違うが考え方は近いかもしれんな。」

助手 「わからなくもないですね。」

所長 「C6って個性的なデザインが武器でもあるし、弱点でもあると思うんじゃ。つまり他の何にも似とらんデザインじゃからこそ選ばれるクルマじゃが、同時に敬遠されるクルマなんじゃ。もっともフラッグシップなんじゃからそれで構わんと思うんじゃけどな。価格的にも数が出るクルマじゃないしの。」

助手 「そうですね。」

所長 「じゃがC5やその下のクルマは量販車じゃないといかんのじゃ。つまりお客を選ぶようなクルマではダメなんじゃ。」

助手 「確かにそうですね。」

所長 「ジャガーにしてもXFで随分とドイツ車よりになったじゃろ。あれもおんなじ考え方なんじゃないか。」

助手 「XFですか、言われてみればこれまでのジャガーの繊細さが薄まって、ドイツ車よりの堅実な印象になりましたね。」

所長 「それが市場のニーズなんじゃろうな。」

助手 「うーん、まぁ新しいC5なら気負わずに乗れそうな感じに見えますよね。」

所長 「それでいてしっかりとシトロエンを主張する顔をしとるし、C6でシトロエンに興味を持ったモンがふらっと選んでも不思議はないじゃろ。」

助手 「そう言えば、ハイドロの他に金属バネも選べるようですね。」

所長 「そうやってどんどんハードルを下げとるんじゃろうな。」


参考資料
シトロエン C5(プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社)
シトロエン C6(轟クルマ文化研究所)
シトロエン C5(先代)(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所

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