老猿のオットット人生

石橋を叩いて渡れずオットットと転んで渡って七転び八起きならぬ七転八倒の人生

やっちゃっていいですか?

2015年08月05日 08時22分15秒 | Weblog
ある演武大会での話し
俺さんこの演武大会でコップ割りのデモンストレーション
弟子も同じく日本指でのデモンストレーション

コップ割りというか・・・握り潰すんだけどね
俺さん長年軟式テニスのボールをワッセワッセ握り
パンクさせるなんてことやってた

ボールはいつもスポーツ店でダースで購入
スポーツ店にとっちゃ俺さんいいお得意さんだったと思う
ボールの他にはたまに家にあるコップや湯のみ
せっせと握り潰してた

湯のみでも高級なものから安価なものまでいろいろあるけど
九谷焼は比較的簡単に握り潰すことができた
あと昔の分厚い電話帳などを破いたり
武道オタクの俺さんロクでもないことばかりやってた

話しを演武大会に戻そう
その大会では合気道と空手が対立して
一触即発の雰囲気になったりいろいろあったけど
交流を深めるということで組手もやることになった

組手は空手ルールなので俺さんとこの弟子
いくら相手より先に突いてもポイントにならない
俺さんとこ寸止めなんてやってないからポイント取れないのは当然
殴って相手に与えたダメージでナンボだからね

二本指の逆立ちのデモをやった弟子
相手の頭越しのハイキックビュンビュンやっていたけど
組手の最中突然スタスタ――来賓席の俺さんに近づき
「当てちゃっていいですか?」と相手を指さしながら俺さんに聞く

みんな見てるし俺さんいいとも悪いとも言えない
俺さんの微妙な顔つきを見て彼なりに判断し
試合会場に戻って試合開始
一呼吸おく間もなくスコーンと相手の顔面に強烈なハイキック
相手はバッタリ倒れてKO――彼はあえなく反則負け
倒れた方が勝つ・・・負けるが勝ちとはこのことか

俺さんこれを契機に弟子を組手の試合にださないことにした
当てたつもり勝ったつもり
つもりつもりの組手なんて俺さん達に関係ないし興味ない
パンチが効いたか効かないかなんて審判に分かるわけない
審判は闘っている当事者じゃないんだから

俺さん極真空手にいた頃
キックに転向した大沢昇と組手をやって
彼がチョコンと出したパンチをボディに受け倒れた

「エッ!? 軽く出したパンチだけど」と彼は驚いていた
俺さんその日朝食抜きだった
組手をやったのは昼近くだったので組手の最中に腹がグー~~
腹減った~と思った瞬間のパンチだったのでモロ効いた

状況は違うけどパンチなんてそんなものだ
軽くたって重くたって効く時は効くし効かない時は効かない
だから俺さんとこパンチでも蹴りでも判定はダメージによる
相手より多くダメージを与えた方が勝ち

だからどんな状況で何処をどうやって打ったら
一発のパンチで相手により大きなダメージを与えられるか
みんなそんなことを考えて組手を行う
蹴りも同様で道衣の上から相手の筋肉の状態を想像する
筋肉と蹴りの角度って重要だからね

俺さん柔道整復師の免許持ってるから解剖学も学んだ
といっても整骨院は開いていない
以前は弟子達に怪我をした場合の包帯法なども教えてた
殴って蹴って叩きつけて・・・壊すだけじゃダメ
壊したら治す――そこまでやって武道だと俺さん思う

ある弟子は低い態勢で背負投をやり
投げられまいと相手が踏ん張ったのでゴキッと股関節脱臼
俺さん高く積み上げた畳の上に彼を寝せ
脱臼した足を担いで回転させ整復したことある