とだ九条の会blog

「とだ九条の会」公式HPに併設=「とだ九条の会ブログ」でネットワークを広げます。

甘利経済再生担当相「辞任」で幕引きは許されない――問題は政権中枢への疑惑

2016年01月30日 | 国際・政治

1月28日夕刻、千葉県の建設業者から1200万円の供与を受けたとされる疑惑が問題となっている甘利明経済再生担当相が自ら現金を受け取ったことを認めたうえで、閣僚を辞任すると発表しました。

それまで明言をさけ「記憶を精査」し1週間後に説明するとして、職責を全うすると続投を表明していた甘利大臣。安倍首相も前日まで国会で甘利大臣の続投を明言していただけに、一転、「辞任」記者会見は意外とマスメディアは受け止めました。

なにせ安倍晋三首相にとって甘利大臣は「盟友中の盟友」で、戦争法とならぶ日米同盟の最大の課題である環太平洋連携協定(TPP)交渉の“立役者”とか、アベノミクスの“功労者”などともてはやされ、安倍政権の暴走政治の支柱ともなってきたのですから、安倍政権にとって甘利大臣の「疑惑」と「辞任」は政権運営にとっても大打撃であったことに違いありません。

売国的なTPP交渉もさることながら、アベノミクスでは、2年間で消費者物価指数2%増のインフレ目標が達成できなかったばかりか、安倍首相がアベノミクス第2ステージを表明したこと自体「失敗」を表明したも同然でした。さらに1月29日、日銀が物価2%目標の達成を三度先送りし、初めてマイナス金利を導入することを決めたことからも「失敗」「破たん」は決定的。その「功労者」ともてはやされるのも「なんだかな~」の世界です。

甘利大臣の記者会見では、第一に大臣室や神奈川県大和市の事務所でそれぞれ50万円を自ら受け取った事実を認めたことが重大です。
閣僚が執務に携わる大臣室で一企業から口利きの“謝礼”を菓子折りとともに受け取るなど、「越後屋、お主も悪よのう~」のお代官様の世界。それを秘書に「政治資金として適正に処理せよ」と言ってのける甘利大臣の時代感覚にびっくりです。

第二に、甘利大臣の公設第一秘書が500万円を受け取ったとされる件では、「100万円を政治資金として処理し、残り400万円は事務所と相談して判断した」とし、その400万円のうち100万円は別の元秘書である県議への献金として処理し、残り300万円はこの公設秘書が私用に使ってしまったと弁明。また秘書らがたびたび会社側から接待を受けていたことも認めましたが、その言い分はこれまでも辞任に追い込まれた大臣がとる常套手段である秘書の責任に。辞任の会見で、「秘書が秘書が」を連発し、秘書に責任を転嫁しつつ、その監督責任を取って「私の美学、生きざまに反する」と辞任を表明して幕引きをはかろうとすることは、あくまで現金を受け取ったことは自分の責任ではないと言わんばかり。「トカゲのしっぽ切り」にほかなりません。

一部のマスメディアや地元の声などでは「潔い」とか「残念」などと甘利大臣を擁護する言葉も見受けられますが、冗談ではありません。

安倍官邸も、以前、閣僚の不正問題から政権を揺るがした過去の反省から、状況判断し、急きょ「辞任」させて一刻も早く幕引きを図ろうと意図したのではないかと思われます。その意味では、これも「トカゲのしっぽ切り」。
今回の問題で問われているのは、政権中枢にあった閣僚の疑惑であり、政権全体の責任問題です。それだけに安倍首相の任命責任は重大。
「辞任」で幕引きすることは決して許されるものではなく、解明に向けて甘利氏も国会招致して徹底的に解明を図らねばなりません。

 

※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://toda9jo.web.fc2.com/
*「とだ九条の会」ホームページは2014年11月24日、上記アドレスに引越しました。
■「とだ九条の会」ブログのアドレス
http://blog.goo.ne.jp/toda9jo
*「とだ九条の会」ブログは2014年11月10日、上記アドレスに引越しました。
■「とだ九条の会」ツイッターのアドレス
http://twitter.com/toda9jo

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安保関連法廃止!「3・6オ... | トップ | 浜矩子さんを迎えて開かれた... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国際・政治」カテゴリの最新記事