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危険な中東情勢に安倍首相はどう対応したかー-「心底、呆れた」と室井佑月氏

2020年01月21日 | 国際・政治

新年早々、激震が走りました。米国のトランプ大統領が命令し、イラクでイランの革命防衛隊司令官を空爆で殺害したというニュースが流れたからです。イランと言えば、かつては親米でしたが、近年は関係が悪化していました。昨年6月、安倍首相がイランを訪問し、イランの最高指導者・ハメネイ師と会談。トランプ大統領の親書を渡せず仲介することができなかったということがありましたが、この無法で国連憲章にも違反することを民主主義を標榜する米国の大統領が命令して、それも他国にいるところを空爆して殺害するということは前代未聞の出来事でした。あわや「2度目の湾岸戦争」とも「第三次世界大戦」ともなりかねない事態に、安倍首相は一国の首相として米国を非難したり、双方に自制を求めたりもせず、声明すら出さず、のんきに映画を観たりゴルフに興ずるなどしていたのです。これに作家・室井佑月氏は「心底、呆れた」とコメントを発しました。以下、「週刊朝日」2020年1月24日号 から記事を転載させていただき、紹介することにします。(サイト管理者)


※以下、転載はじめ↓

 

<室井佑月「心底、呆れた」>


作家・室井佑月氏は、米国によるイランの司令官殺害と安倍晋三首相の動きについて論じる。


*  *  *

呆(あき)れた。心底、呆れた。

1月4日、安倍首相は千葉県袖ケ浦市のゴルフ場で、妻・昭恵氏の弟・松崎勲氏らとのプレーの合間にメディアの取材を受け、記者団に、「おかげさまでゆっくりできました」と語ったらしい。米軍がイラン革命防衛隊の司令官を殺害し、すわ第3次世界大戦勃発かと、世界中がきりきりしている状態なのにさ。

もちろん、ほかの国はすぐに声明を出したさ。3日にもう発表している。ちなみに、その日、この国のアベちゃんは奥さんと映画に出かけておった。

4日の「NHK NEWS WEB」によれば、イラク「米の攻撃はイラクの主権に対する傲慢(ごうまん)な侵害」、中国「米に自制求める」、トルコ「深く憂慮」、ドイツとフランスは懸念表明。ロシアはアメリカを非難、国連は「湾岸で新たな戦争を起こすわけにはいかない」。

そういえば別のところで英国の「これ以上の対立は誰の利益にもならない」というのも読んだな。

この国のアベちゃんは、3日に昭恵夫人と映画、4日は冬休み4回目のゴルフ。

朝日新聞デジタルによれば、「6日に三重県伊勢市の伊勢神宮に参拝し、年頭の記者会見に臨む予定」だというから、5日も休んだらしい。でもって、6日に初詣をし、プロンプターを使った作文原稿読みの新年の挨拶(あいさつ)か。この国の首相って、気楽な商売なんだなぁ。

そうそう、記事にはこう書かれていた。「『今月、諸般の情勢が許せば中東を訪問する準備を進めたいと思っている』とだけ述べた。政府は昨年末に自衛隊の中東派遣を閣議決定し、首相は今月中旬にサウジアラビアなどへの訪問を調整中だが、具体的言及を避けた形だ」

これを読んで、ひょっとしてアベちゃんは、ニュースを知らないのかもしれないとまで思ってしまった。中東へまたいくつもり、って旅行じゃないんだからさ。

だってそうでしょ。米国とイランがもめたら、この国としてどうする、どうあるべきかってのがない。

共産党の志位和夫委員長のほうがよっぽどこの国の首相ぽいわ。3日、自身のツイッターに、「トランプ米政権が、イランに対する軍事的挑発行動を行い、両国の緊張関係が激化するもとで、自衛隊の中東沖への派兵は、いっそう無謀で、危険きわまりないものとなった。いま安倍政権がなすべきは、派兵の決定を撤回し、トランプ大統領に対して軍事的挑発をやめイラン核合意への復帰を説く外交努力だ」とあげた。

そうだよ、この国として、こういう声明があがるべきでしょ。

政府は、昨年末に自衛隊の中東派遣を閣議決定した。なのになぜ、こんなにゆったりしてるんだ。

国旗がかけられ、並べられた棺を見ることになってもなんとも思わないってか?

彼らの支持者にも、あたしはおなじことをいいたい。

 

【室井佑月(むろい・ゆづき)】/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中


【出典】「週刊朝日」2020年1月24日号 

 

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