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9・11と米軍再編、そして改憲問題(その2)

2006年06月28日 | 国際・政治
なぜ「反米テロ」が起こったのか、その理由の第二に、軍事的な理由として、次の4点を指摘します。

①第1点は、軍事費の増大です。
大部分の国は冷戦が終った後で軍事予算を削減したが、軍事予算を増やしたのは日本、それ以上に米国だった。特にブッシュ政権になってから増大が激しく、米国一国の軍事予算が、ヨーロッパの何十という国々の軍事予算を全部足したより多いという状況になった。軍事費が増えると、問題を戦争で解決したいという傾向が強くなると指摘します。

②第2点は、軍事技術の進歩です。
軍事技術の進歩が、米国の暴走を助長する点のひとつとしてなかったかと加藤周一さんは指摘します。

③第3点は、核兵器です。
核兵器の中でも問題となっているのが、NMDとTMD。NMDは米国をミサイルから守る「全米ミサイル防衛」。一方、TMDは紛争のある狭い地域でのミサイル防衛「戦域ミサイル防衛」のこと。万一、ロシアが米国に核弾道ミサイルを発射したらどうなるか。米国は大打撃を受けますが、米国も報復すると思いますからロシアも大打撃を受ける。場合によっては両方滅びてしまう可能性があります。そこで、米国とロシアの間にはABM条約といって弾道ミサイルに反対し、これを打ち落とすためのミサイルを制限する協定があるのですが、米国はこれを単独脱退しようとしています。このNMDとは敵国がミサイル攻撃した場合の防御装置だというのですが、もしその防御装置が米国で完全にできれば、それは防御装置を持っている米国が先制攻撃をするという可能性が広がるわけで、相手国から言えば先制攻撃される危険性が増します。対抗手段はすぐに核軍備競争となります。こうした米国の核問題に関する自分勝手な言動も問題だと指摘します。

④第4点は、米国が最近言い出した「先制攻撃」です。
「悪の枢軸」と名指しされたイラク・イラン・北朝鮮に加え、リビア・シリア・ロシア・中国の7ヵ国を想定し、場合によっては核の先制攻撃もあるかもしれないという恐ろしい話があります。そこには米国がすることは全部正しいとする身勝手な論理があります。

なぜ「反米テロ」が起こったのか、その理由の第三は、政治的な理由としてです。
今、政治的に起こっている非常に大事なこととして“ユニラテラリズム”といって、他国に相談しないで国際問題を米国一国だけで決めるということです。何かするときに、国連とか安保理とか、同盟国にも相談しないで強引に行うという考え方が強くなっている。
京都議定書の時も米国は初めは署名したものの、後で議定書を無視しましたし、国際司法裁判所も米国だけが反対――これらがユニラテラリズムの表われだといいます。

こうした、経済、軍事、政治の3つの側面で、それに虐げられる弱い国々の米国への不快感が強まり、反発となってテロとなって起こったと加藤氏は指摘します。(つづく)


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