■殺傷武器の輸出解禁“密室スピード決定”
2023年12月25日付け当ブログで岸田政権が12月22日に「防衛装備移転三原則」と「運用指針」の改定を強行した記事を紹介しました。
昨年の安全保障3文書改定に続き、今年も岸田政権は年末のドサクサに紛れて、安保政策の重大な転換を国会での議論なく、密室で決めてしまったのです。
この改定に基づき岸田政権は、同時に「地対空ミサイル・パトリオット」の米国への輸出を密室でスピード決定しました。
■バイデン大統領の2度に渡る要求に応えるため
驚くのは、22日の日本政府のこの決定について、事前に米紙が“既定路線”のように報じていたことです。
19日のワシントン・ポスト(電子版)は、「ウクライナの防空体制が不足、米国は日本に目を向ける」というタイトルの記事を配信しました。
それによると、米当局者が「(日本の)協議が進行中のため匿名を条件に語った」として、「武器輸出ルールの変更は、バイデン政権の重要な要求を満たすもの」「バイデン大統領は、8月のキャンプデービッドでの歴史的な日米韓首脳会談で、そして先月のサンフランシスコでの経済サミット(APEC)でも、再びこの問題を岸田首相に提起した」と明かしたというのです。
つまり、バイデン大統領に2度に渡ってせっつかれた岸田首相が、忠犬ぶりを発揮したというわけです。
「防衛政策には日本の自主性が問われるのに、日本を守るためではなく、バイデンを助けるために力を尽くす。それこそ国を売るようなものです」とは、法大名誉教授・五十嵐仁氏(政治学)の弁です。
■岸田政権が今回決定したライセンス生産品輸出の主な内容
ライセンス生産品輸出へ岸田政権が今回決定した主な改定内容は、次の通りです。
❶外国企業から許可を得て日本国内で製造する「ライセンス生産品」をライセンス元の国へ輸出可能にする、❷「救難・輸送・警戒・監視・掃海」の5類型(※1)に関わる武器の輸出は「本来業務」や「自己防護」に必要なら殺傷武器も搭載できることを明確にする、❸「国際法に違反する侵略を受けている国」など「被侵略国」全般に非殺傷武器を輸出できるようにする、❹国際共同開発品の部品は第三国への輸出を解禁する――などです。
このうち、ライセンス生産品は、これまで米国企業がライセンスを持つ武器の部品に限り米国にのみ輸出できたのに対し、今後は部品だけでなく殺傷武器の完成品もライセンス元の国ならどこでも輸出できるようにしました。日本のライセンス生産品は79品目に上り、輸出対象国になるライセンス元の国は米英仏独伊など8カ国に拡大するといいます。
一方、ライセンス元の国が日本から輸入したライセンス生産品を第三国へ輸出する場合は、ウクライナやイスラエルを念頭に「現に戦闘が行われていると判断される国」は除外するとしましたが、「現に戦闘が行われている」という判断基準は曖昧で恣意的運用の恐れがあると指摘されています。現に戦闘が行われていなくても、将来、戦闘が起こることもあり得ます。
ロシアと戦うウクライナに米国は「地対空ミサイル・パトリオット」などの防空ミサイルを提供していますが、今これが不足。そのうえ、米国ではウクライナ支援の追加予算が議会で承認されず、財源枯渇も近い。そこで、日本製のパトリオットを輸入して不足分を補えば、米国製をウクライナに提供する余裕が生まれるというわけです。今回、岸田政権がパトリオットの米国への輸出を決めた発表文書には「米軍の在庫を補完する」と明記していて、ウクライナへの間接的な軍事支援に他なりません。
5類型に関わる武器輸出については、これまで非殺傷武器に限るとされていました。しかし、今後は、5類型の「本来業務の実施」や「自己防護」のためとして、機関砲を搭載した掃海艦や輸送艦などの輸出を可能としました。
「被侵略国」への輸出はこれまでウクライナだけだった限定を取り除きますが、「国際法に違反する侵略を受けている」かどうかの判断は政府任せです。
■「平和国家」の理念を投げ捨てるもの
国際共同開発品の第三国への部品の輸出は、日英伊で共同開発する次期戦闘機を想定しています。英国やイタリアが次期戦闘機の完成品を輸出した第三国に対し、日本がその部品を輸出できるようにします。自民党は年明けの与党協議でさらに完成品の輸出も可能にしようとしています。
岸田政権は「平和国家としての歩みを堅持する」と繰り返していますが、今回の決定は憲法に基づき国際紛争を助長しないとした「平和国家」の理念を投げ捨てるもの。
これは、憲法の平和主義に背を向け、殺傷能力のある武器の完成品を輸出可能にし、「死の商人国家」へと大きく踏み出すものです。日本の国のあり方を覆そうとする“米国いいなり”の自民党政治を終わりにする必要があります。
(※1)5類型とは、安全保障面で関係のある国への防衛装備品の輸出対象を「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」という5つの類型に限定している輸出ルールのこと。
【出典参考】2023年12月25日配信「日刊ゲンダイ」、26日付け「しんぶん赤旗」主張
※パレスチナに平和を!イスラエルはガザへの軍事攻撃を止めろ!
攻撃の即時中止! イスラエルはガザへの軍事攻撃を止めろ! 国際法と国連決議違反の占領と入植をやめろ!
日時:1月13日(土)16:30~17:30 【本日です!】
場所:イスラエル大使館前(東京都千代田区二番町3番地)
(有楽町線 麹町駅 6番出口 改札外)
(JR市ヶ谷駅からだと徒歩10分)
プラカードなど持参歓迎
※平和、いのち、くらしを壊す 大軍拡・大増税に反対しよう!
■署名用紙は下記「憲法共同センター」ホームページから
https://www.kyodo-center.jp/wp-content/uploads/2023/01/20230123shomei.pdf
※ #統一教会の宗教法人解散を求めます
■署名活動はオンライン署名サイト「Chage.org」で行われます。
https://chng.it/YYVtM9Wr8G
※ #ロシアはウクライナ侵略をやめろ!
※新たな「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力を。
(9条改憲NO!全国市民アクション)http://kaikenno.com/?p=1826
■これまで取り組んできた「安倍9条改憲反対!改憲発議に反対する全国緊急署名」に変え、新しい情勢に合わせた「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みます。
■ネット署名
https://chng.it/R2YgNbLD
■署名用紙(プリントしてお使いください)
署名用紙はこちら
2023年12月25日付け当ブログで岸田政権が12月22日に「防衛装備移転三原則」と「運用指針」の改定を強行した記事を紹介しました。
昨年の安全保障3文書改定に続き、今年も岸田政権は年末のドサクサに紛れて、安保政策の重大な転換を国会での議論なく、密室で決めてしまったのです。
この改定に基づき岸田政権は、同時に「地対空ミサイル・パトリオット」の米国への輸出を密室でスピード決定しました。
■バイデン大統領の2度に渡る要求に応えるため
驚くのは、22日の日本政府のこの決定について、事前に米紙が“既定路線”のように報じていたことです。
19日のワシントン・ポスト(電子版)は、「ウクライナの防空体制が不足、米国は日本に目を向ける」というタイトルの記事を配信しました。
それによると、米当局者が「(日本の)協議が進行中のため匿名を条件に語った」として、「武器輸出ルールの変更は、バイデン政権の重要な要求を満たすもの」「バイデン大統領は、8月のキャンプデービッドでの歴史的な日米韓首脳会談で、そして先月のサンフランシスコでの経済サミット(APEC)でも、再びこの問題を岸田首相に提起した」と明かしたというのです。
つまり、バイデン大統領に2度に渡ってせっつかれた岸田首相が、忠犬ぶりを発揮したというわけです。
「防衛政策には日本の自主性が問われるのに、日本を守るためではなく、バイデンを助けるために力を尽くす。それこそ国を売るようなものです」とは、法大名誉教授・五十嵐仁氏(政治学)の弁です。
■岸田政権が今回決定したライセンス生産品輸出の主な内容
ライセンス生産品輸出へ岸田政権が今回決定した主な改定内容は、次の通りです。
❶外国企業から許可を得て日本国内で製造する「ライセンス生産品」をライセンス元の国へ輸出可能にする、❷「救難・輸送・警戒・監視・掃海」の5類型(※1)に関わる武器の輸出は「本来業務」や「自己防護」に必要なら殺傷武器も搭載できることを明確にする、❸「国際法に違反する侵略を受けている国」など「被侵略国」全般に非殺傷武器を輸出できるようにする、❹国際共同開発品の部品は第三国への輸出を解禁する――などです。
このうち、ライセンス生産品は、これまで米国企業がライセンスを持つ武器の部品に限り米国にのみ輸出できたのに対し、今後は部品だけでなく殺傷武器の完成品もライセンス元の国ならどこでも輸出できるようにしました。日本のライセンス生産品は79品目に上り、輸出対象国になるライセンス元の国は米英仏独伊など8カ国に拡大するといいます。
一方、ライセンス元の国が日本から輸入したライセンス生産品を第三国へ輸出する場合は、ウクライナやイスラエルを念頭に「現に戦闘が行われていると判断される国」は除外するとしましたが、「現に戦闘が行われている」という判断基準は曖昧で恣意的運用の恐れがあると指摘されています。現に戦闘が行われていなくても、将来、戦闘が起こることもあり得ます。
ロシアと戦うウクライナに米国は「地対空ミサイル・パトリオット」などの防空ミサイルを提供していますが、今これが不足。そのうえ、米国ではウクライナ支援の追加予算が議会で承認されず、財源枯渇も近い。そこで、日本製のパトリオットを輸入して不足分を補えば、米国製をウクライナに提供する余裕が生まれるというわけです。今回、岸田政権がパトリオットの米国への輸出を決めた発表文書には「米軍の在庫を補完する」と明記していて、ウクライナへの間接的な軍事支援に他なりません。
5類型に関わる武器輸出については、これまで非殺傷武器に限るとされていました。しかし、今後は、5類型の「本来業務の実施」や「自己防護」のためとして、機関砲を搭載した掃海艦や輸送艦などの輸出を可能としました。
「被侵略国」への輸出はこれまでウクライナだけだった限定を取り除きますが、「国際法に違反する侵略を受けている」かどうかの判断は政府任せです。
■「平和国家」の理念を投げ捨てるもの
国際共同開発品の第三国への部品の輸出は、日英伊で共同開発する次期戦闘機を想定しています。英国やイタリアが次期戦闘機の完成品を輸出した第三国に対し、日本がその部品を輸出できるようにします。自民党は年明けの与党協議でさらに完成品の輸出も可能にしようとしています。
岸田政権は「平和国家としての歩みを堅持する」と繰り返していますが、今回の決定は憲法に基づき国際紛争を助長しないとした「平和国家」の理念を投げ捨てるもの。
これは、憲法の平和主義に背を向け、殺傷能力のある武器の完成品を輸出可能にし、「死の商人国家」へと大きく踏み出すものです。日本の国のあり方を覆そうとする“米国いいなり”の自民党政治を終わりにする必要があります。
(※1)5類型とは、安全保障面で関係のある国への防衛装備品の輸出対象を「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」という5つの類型に限定している輸出ルールのこと。
【出典参考】2023年12月25日配信「日刊ゲンダイ」、26日付け「しんぶん赤旗」主張
※パレスチナに平和を!イスラエルはガザへの軍事攻撃を止めろ!
攻撃の即時中止! イスラエルはガザへの軍事攻撃を止めろ! 国際法と国連決議違反の占領と入植をやめろ!
日時:1月13日(土)16:30~17:30 【本日です!】
場所:イスラエル大使館前(東京都千代田区二番町3番地)
(有楽町線 麹町駅 6番出口 改札外)
(JR市ヶ谷駅からだと徒歩10分)
プラカードなど持参歓迎
※平和、いのち、くらしを壊す 大軍拡・大増税に反対しよう!
■署名用紙は下記「憲法共同センター」ホームページから
https://www.kyodo-center.jp/wp-content/uploads/2023/01/20230123shomei.pdf
※ #統一教会の宗教法人解散を求めます
■署名活動はオンライン署名サイト「Chage.org」で行われます。
https://chng.it/YYVtM9Wr8G
※ #ロシアはウクライナ侵略をやめろ!
※新たな「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力を。
(9条改憲NO!全国市民アクション)http://kaikenno.com/?p=1826
■これまで取り組んできた「安倍9条改憲反対!改憲発議に反対する全国緊急署名」に変え、新しい情勢に合わせた「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みます。
■ネット署名
https://chng.it/R2YgNbLD
■署名用紙(プリントしてお使いください)
署名用紙はこちら
2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効へ!
引き続き署名国・批准国を増やし、実効性ある条約に!
♯日本政府は核兵器禁止条約に背をむけるな
♯米国など核保有国は核兵器禁止条約に参加、署名・批准を
※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://toda9jo.web.fc2.com/
*「とだ九条の会」ホームページは2014年11月24日、上記アドレスに引越しました。
■「とだ九条の会」ブログのアドレス
http://blog.goo.ne.jp/toda9jo
*「とだ九条の会」ブログは2014年11月10日、上記アドレスに引越しました。
■「とだ九条の会」ツイッターのアドレス
http://twitter.com/toda9jo
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