太平洋戦争末期、唯一の地上戦で県民の4人に一人、20万人超が犠牲となった壮絶な沖縄戦の資料を展示した「ひめゆり平和祈念資料館」への入場者数が1999年をピークに減少傾向にあることが分かり、心配する声が広がっています。2018年6月24日付け「東京新聞」朝刊から、その記事を転載させていただき、紹介することにします。(サイト管理者)
※以下、転載はじめ↓
〈平和資料館、減る入館者 教育現場の変化 影響か〉
日米双方で二十万人を超える死者が出た沖縄戦の記憶や教訓を継承する平和資料館で、訪問者数が減っている。戦争を経験した世代が高齢化や他界で足を運べなくなるとともに、若者を中心に戦後世代の来館の低迷が背景にあるとみられる。教育現場の環境変化が響いているとの声もある。
太平洋戦争末期に動員された女学生でつくる「ひめゆり学徒隊」の被害を伝える「ひめゆり平和祈念資料館」(沖縄県糸満市)では、有料入館者数が百万人超の一九九九年度をピークに、二〇一七年度は約五十五万五千人まで落ち込んだ。団体で訪れた県内の小中高校の数は、減少が著しい。同年度の五十七校は、百四十校あった九五年度の四割ほどだった。
同館の仲田晃子さん(41)は戦争を自身や家族の痛みとして捉える世代の減少に危機感を覚える。県内の大学生が沖縄戦体験者を「先祖」と書き表したのを目にして、複雑な思いがした。
他の施設でも、訪問者減少の状況はほぼ同じ。「沖縄県平和祈念資料館」(同市)は、十七年度の観覧者数が〇〇年度から十二万人以上減って約三十五万六千人に。米軍に撃沈された学童疎開船の悲劇を伝える「対馬丸記念館」(那覇市)も、最近の来館者は減少傾向だ。
【出典】2018年6月24日付け「東京新聞」朝刊
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