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「軍事化進む」在日米軍駐留経費負担増――いびつな従属関係改めよ

2021年11月25日 | 国際・政治
昨日の当ブログで、中国の沖縄県・尖閣諸島周辺の領海への侵入に対し、日米欧の同盟国による軍事的な牽制が顕著になっている状況を紹介しましたが、在日米分の7割が集中する沖縄県の米軍駐留費負担増について在沖メディアの「琉球新報」、「沖縄タイムス」が「社説」を発表しています。2021年11月21日配信両紙から「社説」を転載させていただき、紹介することにします。(サイト管理者)


※以下、転載はじめ↓


【社説】政府、駐留費負担増へ いびつな従属関係改めよ>

政府は2022年度からの在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)について、米側の増額要求に一定程度応じる方向で調整している。増額分は、米軍基地の光熱水費など従来の負担ではなく、自衛隊が米軍と共同使用する飛行場の整備や共同訓練などの経費とすることを米側に打診した。


米側は中国の軍事力強化や北朝鮮の核・ミサイル開発で在日米軍の重要性が増しているとして増額を要求したようだ。
 
ただ米国の同盟国の中でも日本の負担割合は突出して高い。負担増ではなく、むしろ高額な負担を検証し、見直す必要がある。米国が要求すれば応えるといういびつな従属関係をまずは改めるべきだ。
 
「思いやり予算」は、本来、米側が負担すべき人件費や光熱水費を日本側が肩代わりするものだ。1978年、当時の金丸信防衛庁長官が根拠を問われ「思いやりを持って対処する」と答えたことに由来する。
 
だが現在、国の借金である長期債務残高は21年3月末の時点で1千兆円を超す。単純計算で国民1人当たり約800万円の借金だ。そんな中、支払う義務のない「思いやり予算」は16年度から5年間で計9465億円に上る。
 
21年度予算では2017億円だ。今回の米側の要求額は明らかになっていないが、来月に合意し、年明けに特別協定に署名する方針で詰めの協議中だという。
 
在日米軍関係経費は「思いやり予算」だけではない。基地周辺対策費や辺野古新基地建設を含む米軍再編経費、基地交付金などに計約8千億円を支払っている。
 
さらに「思いやり予算」の負担割合は02年時点で韓国40%、ドイツ32・6%に対し日本は74・5%で、15年度には86・4%に上り、他の同盟国と比べて高い割合だ。他国の軍隊を国内に駐留させ、ここまで厚遇している状態は独立国家として異常だ。負担内容を見直し、対等な関係に修正すべきである。
 
今回、経費負担を増やすことは「同盟強化につながり、国民の理解を得やすい」と日本政府は判断したという。しかし内実は従属関係の強化だ。コロナ禍で一層厳しい財政状況の中で、国民の理解が得られるはずがない。
 
尖閣諸島や台湾海峡の有事に備えた合同演習が活発化している中、さらに訓練増強に加担することは、演習の現場にされている沖縄の負担増につながる恐れがある。激しい訓練に伴う事件事故だけでなく、軍事衝突が起きれば標的にされる危険性が増す。
 
日米が基地機能や演習を強化すればするほど中国や北朝鮮も対抗するという軍拡の負のスパイラルに陥ってはいけない。米中首脳が会談し、衝突回避の認識で一致したばかりである。日本はその対話を促す平和外交を推進すべきだ。その中で「思いやり予算」の廃止を模索する必要がある。


【出典】2021年11月21日配信「琉球新報」


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【社説】[軍事化進む沖縄] 一層遠ざかる負担軽減>

自衛隊や米軍による演習が活発化している。

演習激化は今に始まったことではない。しかし、これまでと大きく異なるのは、中国をにらんだ訓練が主流になってきたこと、自衛隊が前面に出てきたこと、日米の軍事一体化が進み、沖縄の戦場化を前提とした合同演習が行われるようになってきたことだ。

19日に全国各地で始まった自衛隊の統合演習は陸・海・空の自衛隊3万人に、車両1900台、艦艇10隻、航空機140機を投入する大規模なものである。今回、在沖海兵隊など米軍5800人も初めて参加する。

県内では、北大東村の米軍沖大東島射爆撃場を使った実弾射撃訓練、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃訓練、電子戦部隊配備を目指す与那国島での電子戦訓練などが実施される。民間の石垣港や祖納港、中城湾港を使い、人員や車両も運ぶ。

同日、海上自衛隊の輸送艇が寄港した石垣港では、市民団体が集会を開き「軍事使用反対」と抗議の声を上げた。

より実戦を意識した内容に、有事の際「標的」となるのではないかとの不安が広がっているのだ。沖縄戦を思い起こしたという人も少なくない。

21日には中城湾港に防衛省が借り上げた民間船舶が寄港し、車両約150台を運び込むという大がかりな輸送訓練も予定されている。

沖縄にとって港は生活を支える重要インフラである。民間港の使用が既成事実化し、常態化することを危惧する。

■    ■

これだけではない。

今月に入り、米軍普天間飛行場でMV22オスプレイによるつり下げ訓練が続けて確認されている。

つり下げは危険度の高い訓練だ。過去には少女の命を奪うという痛ましい事故もあった。そもそも街のど真ん中にある飛行場でやるべきではない。

さらに19日には、普天間のオスプレイ3機、20日にはCH53とみられるヘリが那覇軍港に相次いで着陸し、周辺住民に不安を与えた。

基地の使用目的を定めた、いわゆる「5・15メモ」で、那覇軍港は「港湾施設および貯油所」となっている。飛来は想定されておらず、目的外使用になる。

普天間の危険性除去と言いながら、つり下げ訓練や目的外使用を認めるようでは、政府の本気度が疑われる。中止申し入れなど毅然(きぜん)とした姿勢を示すべきだ。

■    ■

政府は事あるごとに沖縄の負担軽減を強調する。実際のところその中身は辺野古新基地建設を進めることである。いつまでに工事を終え、その間、普天間をどうするのか、肝心な点には答えない。

政府にも米軍にも一日も早く何とかしなければというモメンタム(勢い)が失われていることが、最大の問題といえる。

県は軟弱地盤に伴う設計変更申請について、最終判断の時期を慎重に検討している。その際、膠着(こうちゃく)した状況を動かすようなメッセージを全国に向け発信し、復帰50年の内実を問うことが重要だ。


【出典】2021年11月21日配信「沖縄タイムス」


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※「唯一の戦争被爆国 日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」
http://www.antiatom.org/Gpress/wp-content/uploads/2020/10/08e558ee75f3516054b5145b2b1b9440.pdf


2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効へ!
引き続き署名国・批准国を増やし、実効性ある条約に! 
♯日本政府は核兵器禁止条約に背をむけるな
♯米国など核保有国は核兵器禁止条約に参加、署名・批准を


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