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素晴らしい「川崎市平和館」について

2017年12月04日 | 国際・政治

昨日も当ブログで、現在12月10日(日)まで川崎市平和館で行われている「平成29年度企画展 シリーズ へいわのためのリテラシー2『写真展・造形展 ことばを超えて』」についてご紹介しましたが、今日はこの川崎市平和館についてご紹介したいと思います。

それは同展そのものの素晴らしさもさることながら、「平和」について包括的に展示されていることが素晴らしいと思ったからです。

平和館は、1945(昭和20)年4月15日の川崎大空襲や太平洋戦争全体の記録はもちろんのこと、現在までの世界の戦争や紛争、さらには戦争以外でも「平和」の実現を阻む要因として、人権・飢餓・貧困・環境などの問題を取り上げて様々な情報が常設展として2階に展示されています。あまりの情報の多さと緻密な分析、するどい追及や表現に圧倒され、2時間ほどかけて見学しましたが、すべては見切れませんでした。

中でも川崎市らしい展示コーナーとして、北朝鮮による日本人拉致問題に関する部屋までありました。1977(昭和52)年に北朝鮮により拉致された拉致被害者・横田めぐみさんのご両親が現在川崎市に在住されており、人権を尊重し、共に生きる社会をめざす川崎市として拉致問題の一日も早い解決に向けて、拉致問題を風化させないための様々な取り組みをしている一環だそうで、さすがだと感じました。

このような「平和」を包括的に捉え、緻密な展示で情報を市民に提供する「平和館」を持つ川崎市の取り組みの素晴らしさに感心しました。私の姉が実家のある静岡市で「静岡平和資料館を作る会」の活動をしていますが、このような施設が静岡市にも、そして我が街・戸田市にもあったらいいのにと、うらやましく思いました。

平和館の紹介パンフレットにも記載されていますが、川崎市は1982(昭和57)年に「核兵器廃絶平和都市宣言」【下記参照】を制定しています。平和館入口にはこの「核兵器廃絶平和都市宣言」制定を記念して少女像【写真】が建っています。国際社会が「核兵器禁止条約」を採択し、核兵器廃絶に向けて努力している現在、唯一の被爆国として、そして戦争加害者としての日本の政府がそれに背を向けているのとは裏腹に、川崎市の姿勢は素晴らしいと感じたものです。

 

<川崎市平和館とは> 

川崎市は、1992(平成4)年4月15日、川崎大空襲の日(1945(昭和20)年4月15日)に、川崎市中原区木月住吉町(きづきすみよしちょう)33番1号に開館しました。

ここは、戦後、米軍の出版センターとして接収されていた土地が1975(昭和50)年に全面返還されたのを契機に、隣接する木月住吉公園と中原公園を統合し、1983(昭和58)年に川崎市中原平和公園として現在の規模の公園になりました。

平和公園として開園する前年の1982(昭和57)年には、川崎市は「核兵器廃絶平和都市宣言」を制定しており、その理念や終戦4ヵ月前の1945(昭和20)年4月15日の川崎大空襲などの戦争の悲惨な体験、市民の平和に対する願いを踏まえオープンしたのです。 

その他に平和公園内には、平和祈念像、彫刻展示広場などの平和施設をはじめ、であいの広場、野外音楽堂、はだしの広場等があります。

 

<川崎市平和館の目的> 

川崎市平和館は、「市民の平和に対する理解を深めるとともに、平和を希求する市民相互の交流及び平和活動を推進し、もって平和都市の創造と恒久平和の実現に寄与するために設置する。」(川崎市平和館条例第1条)のもとに、設置運営されています。 

平和館の基本的テーマは、「平和」であることは言うまでもありませんが、「平和」の意味は、私たちにとって極めて重要であるにもかかわらず、具体的に理解し把握することが難しい抽象的な内容ではないでしょうか。 

「平和」をより現実的で具体的なかたちとして捉え、「平和」と「戦争」をいろいろな方法で示しながら、市民・見学者の理解を深めるようにしていくのも役割の一つと考えています。

また、戦争以外でも「平和」の実現を阻む要因として、人権・飢餓・貧困・環境などの問題を捉え、市民・見学者がこれらを見つめることにより、「平和」についてより深く理解でき、未来に向かって一人ひとりが何をなすべきか、その展望を投げかけてまいりたいと考えています。

一人でも多くの市民の方がご来館され、「平和」に関する認識を深めるとともに、平和交流の場としてもご活用くださることを願っています。

  

<核兵器廃絶平和都市宣言>

真の恒久平和と安全を実現することは、人類共通の念願である。

しかるに、核軍備の拡張は依然として行われ、人類の生存に深刻な脅威を与えている。

わが国は、世界唯一の被爆国として、被爆の恐ろしさ、被爆者の苦しみを声を大にして全世界の人々に訴え、再びこの地球上に広島、長崎の、あの惨禍を繰り返させてはならない。

このことは、人類が遵守しなければならない普遍的な理念であり、我々が子孫に残す唯一の遺産である。

川崎市は、我が国の非核三原則が完全に実施されることを願い、すべての核保有国に対し、核兵器の廃絶と軍縮を求め、国際社会の連帯と民主主義の原点に立って、核兵器廃絶の世論を喚起するため、ここに核兵器廃絶平和都市となることを宣言する。

昭和57年6月8日

川崎市

【出典】「KAWASAKI PEACE MUSEUM 川崎市平和館」案内パンフレット

      

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