１２月２日（土）、川崎市平和館で開催されている「平成２９年度企画展 写真・造形展 ことばを超えて」（１１月１１日～１２月１０日、入場無料）に行ってきました。これは同館が実施している「平和のためのリテラシーを考えるシリーズ」の２回目となる企画展です。
同展に協力している「武田美通・鉄の造形『戦死者たちからのメッセージ』を広める会」の事務局長の仲内さんから、同展の開催を知らされ、早速行ってきたものです。
同展では、鉄の造形作家・武田美通の作品２１点を展示しているほか、同時に「ＤＡＹＳ国際フォト大賞」受賞作品も展示されていました。
主催は、川崎市平和館ですが、協力として「武田美通・鉄の造形『戦死者たちからのメッセージ』を広める会」、ＤＡＹＳ ＪＡＰＡＮ、そして武田美通の遺作全３０点を保管する恵泉女学園大（東京都多摩市）の「花と平和のミュージアム」です。
私は、先に「ＤＡＹＳ国際フォト大賞」受賞作品を鑑賞。まさしく「ことばを超えて」迫る映像の映し出す世界の現実。「平和」を平和学では「平和を脅かす要素」を「暴力」という概念を使って説明しているそうですが、暴力の行為者が見える武力だけでなく、貧困や差別など社会の構造そのものが被害者を生み出すような「平和を脅かす要素」までと捉え、戦争はもちろんのこと、武力紛争、難民問題、環境破壊、報道のあり方まで幅広く写真で紹介していて圧巻でした。
解説を読みながら丹念に見ていたら４～５０分は経ってしまったでしょうか。これもこれで世界の出来事を知り、平和のためのリテラシー力（読解力）を高めることができたと思います。
続いて、本命の「武田美通・鉄の造形展」。
武田美通（たけだ よしとう）は１９３５年、北海道小樽で生まれ、２０１６年５月に亡くなりました。少年期は戦時中ということもあり、文字通り「皇国の少年」として育ちましたが、敗戦後、早稲田大学で社会学を学び、日本経済新聞の記者に。その後、日経傘下のテレビ東京に異動。６０年安保取材をスタートに激動の昭和を取材しました。
ジャーナリスト人生３６年間、特に少年期からのテーマ「戦争とは、国家とは、軍隊とは」を取り上げ、アメリカ海兵隊や自衛隊などの取材に力を入れます。６０歳を前に、造形作家の道に進み、２００２年頃から最晩年の２０１６年３月まで、鉄の造形「戦死者たちからのメッセージ」を連作します。それら作品群は、武田美通にとって生涯の集大成であり、次世代へのメッセージとなっています。
「靴を喰う」「自決する兵士」「飢餓地獄」「別れ、餞別は自決用手榴弾」「白骨街道」「大き骨は…」「黒い雨」「残された数秒の母子のいのち」「一滴の水を求めて」「歌い継ぎ、語り継ぎゆかん 沖縄戦の悲劇を」「一瞬の閃光が少年と犬を貫いた」「シベリア抑留兵士の埋葬」など、２１作品からは、どれも鉄の持つザラザラとした荒々しい質感とさび付いた表面や逆につるつるした表面など、そこから漂う鉄の臭いも含めて、兵士や当時の人々の叫びみたいなものが伝わってきて、戦争の悲惨さを一層伝えていると感じました。
ＤＡＹＳ写真展も武田美通作品展もともに、まさに「ことばを超えて」想像する自分の中に、迫りくる戦争の実態がリアルに感じられる展覧会でした。
■「武田美通・鉄の造形『戦死者たちからのメッセージ』を広める会」では２０１８年に沖縄で同展の開催を計画中とのこと。沖縄県での展覧会は、武田美通が切望していたこということで、「会」では多額の費用がかかることから、広く募金の協力を求めています。
＜ご協力いただける方は…＞
【振込先】振替口座：00130-6-630365 「戦死者たちからのメッセージの会」
【連絡先】335-0003 埼玉県蕨市南町2-19-21 仲内方（事務局）
電話・ＦＡＸ：048-444-3176 携帯：090-7288-1489
メール：okera@kna.biglobe.ne.jp
■「平成２９年度企画展 写真・造形展 ことばを超えて」開催中！
日時：２０１７年１１月１１日（土）～１２月１０日（日）
９：００～１７：００ 休館：毎週月曜日
会場：川崎市平和館
（川崎市中原区木月住吉町33-1 電話044-433-0171）
入場無料
■映画「イラク～チグリスに浮かぶ平和」（綿井健陽監督作品）上映＆講演会
日時：２０１７年１２月９日（土）１３：３０～１６：３０
・映画上映：１３：３０～１５：２０
・講 演：１５：３０～１６：３０
会場：１階屋内広場
入場無料
※９条改憲を許さず、憲法の平和・人権・民主主義が生かされる政治の実現を求める
「安倍９条改憲ＮＯ！憲法を生かす全国統一署名」（3000万人署名）にご協力を。
署名はこちら＝＞ ＝＞http://kaikenno.com/?p=1
（安倍９条改憲ＮＯ！全国市民アクション）
※日本政府に核兵器禁止条約への参加を求め、
核兵器のない世界の実現に向けて、
あなたも「ヒバクシャ国際署名運動」を。
ネット署名はこちら＝＞ http://hibakusha-appeal.net
(「ヒバクシャ国際署名」推進連絡会)
※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール（「とだ九条の会」ＨＰをご覧ください。）に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」ＨＰに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
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