とだ九条の会blog

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憲法を生かし、戦争と貧困をなくそう(2)

2008年07月17日 | 国際・政治
昨日に引き続き、2008年5月3日、東京・日比谷公会堂で行われた憲法集会での日本共産党委員長・志位和夫氏の発言を、2008年5月4日付け『しんぶん赤旗』より、ご紹介させていただきます。


■自衛隊のイラク派兵を違憲・違法と真正面から断罪した名古屋高裁判決

私がきょう、こうした状況の前向きの変化のなかで呼びかけたいのは、憲法を守ることと一体に、憲法を生かそうということです。憲法を平和に生かし、暮らしに生かすための攻めのたたかいを、あらゆる分野で発展させよう、憲法の力で政治を変えようということを訴えたいのです。
憲法を平和に生かすという点では、4月17日、名古屋高裁で、自衛隊のイラク派兵に対して真正面から憲法違反と断じた歴史的・画期的な判決が下り、昨日、確定判決になったことを、私はみなさんとともに喜びたいと思います。
とくに私は、高裁判決が、政府と同じ憲法解釈を前提とし、それでもなお自衛隊の活動が違憲・違法だと断罪したことは、重要な意味をもつと思います。
政府はこれまで、「海外での武力行使はしない」、「武力行使と一体となった活動もしない」、「戦闘地域には行かせない」という建前を強調し、「だから憲法違反にはならない」というごまかしの議論をつづけてきました。判決は、こうしたごまかしの議論を前提としても、バグダッドは「戦闘地域」であり、そこに多国籍軍の武装兵員を空輸する活動は、他国の「武力行使と一体」となった活動であって、自らも武力行使をおこなったとみなされるとして、違憲・違法と断罪しました。
つまり政府の作った土俵、相手の土俵のうえでもなお相手を断罪した。ここには憲法九条のもつ奥深い生命力が示されているのではないでしょうか。
政府からすれば、自分の土俵で投げ飛ばされ、完敗した以上、論理のうえでは容易に覆すことができないことになります。ですから、福田首相は、「傍論でしょ」という暴論しかいえません。高村外務大臣は、判決文について、「大臣をやめて暇でもできたら読む」といいました。早く読めるようになるために「暇」をとらせてあげたいものです。
航空幕僚長は「そんなの関係ねえ」というふざけた暴言をはきました。これは、危険な発言ですが、自衛隊の制服組のトップ級幹部が、「自衛隊は憲法と関係ねえ」と日ごろから思っている、自衛隊は憲法の外の存在、憲法違反の存在であることを、自認する発言ではないでしょうか。これらはみな、論理的に反論不能におちいったことの告白であります。
政府は、司法の判断を重く受け止めて、イラクからすみやかに自衛隊を撤退させよ。このことをいっしょに求めていこうではありませんか。

■平和的生存権についての画期的見解??9条を平和日本への道標として生かそう

いま一つ、この高裁判決は、平和的生存権について画期的な見解を示しました。
判決は、「平和のうちに生存する権利を有する」と明記した憲法前文、戦争放棄と戦力不保持を決めた九条、幸福追求権を保障した13条などを引いて、平和的生存権は、「全(すべ)ての基本的人権の基礎にある基底的な権利」であり、「憲法の基本的精神や理念を表明したものにとどまらず、具体的権利」である??国民にたいして具体的に保障すべき権利と認定しました。
具体的権利とは、政府が仮にそれを侵害する行為をおこなえば、その行為の禁止や損害賠償を裁判所に求めることができるということです。
これは憲法を平和に生かす素晴らしい可能性を開いたものだと思います。
判決では、この権利侵害の具体的な事例として、「戦争の遂行や戦争の準備によって、危険や被害、恐怖にさらされた場合」を例示していますが、たとえば沖縄、岩国、神奈川などに、米軍基地が存在することによって、日夜、犯罪と事故の危険に脅かされている現状は、平和的生存権の侵害として是正をもとめることができるわけです。
また判決では、「戦争の遂行への加担・協力を強制される場合」を例示していますが、有事立法による土地や家屋の強制収用、港湾・空港などの強制使用など、国民の権利侵害も、平和的生存権の侵害として中止をもとめることができるわけです。
こうして九条は、海外派兵をやめさせる力となり、米軍基地による生命や安全への危険をとりのぞく力となり、さらには有事法制を無力化する力ともなります。九条を、平和な日本をつくる道標(みちしるべ)として、大いに生かそうではありませんか。
(つづく)

【出典】2008年5月4日付け『しんぶん赤旗』より


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