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地球環境問題と日本国憲法(1)

2008年07月04日 | 国際・政治
この7月7日から9日まで北海道・洞爺湖で環境サミットが開催されます。
「戦争は最大の環境破壊」……と言われているように、地球環境の問題は、平和の問題でもあります。そこで、今回は、2008年3月21日、大阪・中之島で行われた「九条の会・おおさか」主催の「憲法を語るつどい」で、大阪市立大学名誉教授の宮本憲一氏の特別報告「地球環境問題と日本国憲法」から、その概要をご紹介させていただきます。(文責:サイト管理者)


宮本憲一氏の特別報告「地球環境問題と日本国憲法」は、「九条の会・おおさか」が監修し、フォーラム・Aから発行された藤本義一氏と井上ひさし氏の対談を紹介した小冊子『めっちゃええやん!憲法9条-東西ビッグ対談-』に収められています。

宮本氏は、この中で地球環境問題について3つのことを発言しています。
■一つは、「地球温暖化ガスが地球の温度を上げている、その結果、地球環境が危機になるということはいったい正しいのかどうか」という点。
■二つ目は、「京都議定書の主催国であった日本が、果たしてこういう地球温暖化ガスを防ぐために、いま本当に実行が可能な状況にあるかどうか」という点。
■三つ目には、実は地球環境問題というのは温暖化ガスだけの問題ではなく、地球全体をどう維持していくか、戦争のない、貧困から脱却するような、そうしたことを含めた問題であって、それは「いったい国際的にどういう形で議論されているのか」「日本国憲法との関係は」といった点だとして、話を始めました。


■宮本氏は、まず、第一の点、「地球温暖化ガスが地球の温度を上げている、その結果、地球環境が危機になるということはいったい正しいのかどうか」ということについて、地球温暖化の研究と政策提言のために国連と世界気象協会がつくったIPCC「気候変動に関する政府間パネル」の第4次報告書から次の点を紹介しました。
IPCCは第4次報告書の中で、「地球温暖化の原因は、人間活動による二酸化炭素などの排出の可能性が90%以上」としています。第3次報告書では「60%くらいの可能性」としていましたから、地球の温度が上がっているのは、我々の社会経済活動の影響ということを一歩進めて認めたことになり、地球温暖化問題は「科学の問題」から「政治の問題」に変わってきたと言ってもいいと指摘しました。
この第4次報告書では、1906年から2005年までの100年間で、世界の平均気温は0.74度上がったと発表しています。今後の100年はどうかというと、高度成長で今と同じ化石燃料をずっと使っていくとしたら、約4度上昇し、その結果として海面の水位が20世紀よりも18cmから59cm上昇するだろうとしています。そしてその結果、最近問題となっている自然災害の増加が予想されているのです。
また、我々がリサイクルをしたり、自然エネルギーに変えていったりするなど、循環型社会を目指したとしても平均気温は約1.8度は上がるだろうとしています。たとえ今世紀末に2度程度で止めた場合でも、大変な影響が出るとしていますが、温暖化ガス排出量を50~60%削減しなければならないということで、世界の国民総生産から1~3%の投資が必要と試算していることを紹介しています。

(つづく)


【出典】『めっちゃええやん!憲法9条-東西ビッグ対談-』(九条の会・おおさか監修、フォーラム・A刊、600円+税)

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