2日(金)、夕方から社史の打ち合わせがあって出かけ、8時半頃帰宅すると、ブナがリビングの入り口に突っ伏し、動かなくなっていた。
抱き寄せると下半身がオシッコで濡れており、ぐったりと目をつぶっている。揺り起しても意識が混濁した状態。自力ではとても立ち上がれず、されるがままだ。
濡れた下半身を拭いてやり犬布団に寝かせ、しっかり閉じた瞼を開けて見ると、なんと、もう死んでひからびたような目になっているではないか!
左目など眼球が見えず、白濁して何が何やら分からない状態だった。
意識は戻ったものの、朦朧とした様子でぐったりしている。もちろん水も飲まないし、エサも食べない。こりゃ、いかんと思って、妹を呼ぶ。妹にも、ブナの閉じた目を開いて見せると、途端に険しい表情になった。
トチのように、このまま逝ってしまうのかと思ったら、涙が溢れて来たのだけれど、ピッコイが逝ったばかりだったので、何となく覚悟している自分もどこかにいて、私は空虚な一本の棒のようになってブナに寄り添っていた。
粗相をしたまますべって転び、起き上がれなくなったとしても、この目は一体どうしたのだろう。おそらく水も飲まずに突っ伏したままだったのだろうから、とにかく水分を身体に入れてやらなくちゃと思い、シリンジで水を口に入れると、水皿からは飲まなかった水を飲み込んでいる。
よかった。水皿からは飲む余力がなかったのだろう。
寝袋を用意して、ブナに添い寝する。うとうとしかけると、ブナがときどき体位を自分で変えていた。そのたびに起きて手助けをし、朝を迎えたのだった。
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