ブナのしっぽは垂れたままで、ほとんど振らなくなってしまった。私の帰宅時に喜んでしっぽを振るけれど、以前のようにピンと立て、テーブルのものを落とすほどブンブン力強く振ることはない。
家の近くでミニチュアダックスを連れた飼い主さんと会ったとき、「あら、怖がっているのね。しっぽを垂らしているもの」と言われたけれど、そんなチビ犬をブナは怖がりはしない。
怖くてしっぽが垂れているのではなく、仙椎の椎間板がすり減ったり、骨棘ができたことで馬尾神経が圧迫されて、しっぽの動きが制限されているのです。
腰椎、仙椎に鈍い痛みがあるのでしょう。伏せたり、立ち上がったりするのに時間がかかり、ブナがよくやっていた無防備なこんな寝方はもうできなくなっている。
何度も書いているように、ブナは家のあちこちで排便をしてしまう。状態のよいウンチのため片付けやすいことが救いだが、以前はトイレに排泄しても自分のブツを踏まないように気遣えたものが、痴ほう症気味のせいか、とうとうその配慮ができなくなった。
昨日打ち合わせから帰ると、小さな玄関ホールとリビングを仕切るすりガラスの扉の向こうに2頭が私の帰宅を喜んで動き回る姿が見えた。扉を開けた途端、思わず「わちゃーっ」と声を上げてしまった。
ブナが扉の前に排泄しており、それをまあ、したい放題に踏みつけにしてあるではないか! 「わあ、動くな!」とか「じっとしていてー!」とか叫べども、ブナは喜び勇んで動き回る。ただでさえ外から帰って来て大汗をかいているのに、追い討ちをかけるようにどっと汗が噴き出した。
取りあえず床のブツを取り去って、雑巾がけをし、ブナをお風呂場に連れて行って汚れた足を洗い、再び床を拭き……。クリの足の裏をチェックするときれいだったので、クリがまだちゃんと踏まないように気遣えることにホッとした。
そういえば、先日もブナが足を汚していたのでお風呂場で足を洗ってやっていた。と、そのとき、急にしゃがみこみ、なんとお風呂場で排便し始めたのである。踏みつけられないように浴室からブナを出して慌てて片付けたけれど、「出もの腫れもの、ところかまわず」とはまさにこのことである。
これで、足腰が立たなくなって寝た切りになったら可哀想だなあ。
トチが今のブナと同じ14歳4カ月の頃にはこんなことはなかったから、ブナの老化が早いということかなあ?
犬は人より痛みに鈍感だといわれているけれど、多少の痛みでは人のように痛がらず無理もする。その辺の観察が飼い主には必要で、歩き方や呼吸を見ながら、痛みを感じていると思われるときは、早めに対応してやたほうがいい。痛みがあるということは炎症があるということだから、炎症を放置すれば症状は重くなる。
うちでは痛み止めのメタカムを処方してもらい、ブナにもクリにも痛みが出ていると思われるときには痛み止めを飲ませている。そうすると明らかに動き方が変わることがあるのだ。老犬だと特に、ちょっとしたサインを見逃さないようにしないといけないのですね。
定期的なレントゲン検査によれば、今のところクリには悪性黒色腫の転移・再発は見られないけれど、肩甲骨や腰椎に骨棘もできているので散歩も注意しながらさせている。