小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

まむしに咬まれたケンちゃん

2009-04-28 | 犬&猫との暮らし

 昨日午後、取材のテープ起しをしていると、携帯に車屋さんから電話が…。車検に出していた車の修理箇所がなかったために「もう上がったよ」という連絡でした。
 よかった~。すぐに代車のセダンに乗って、愛車を取りに行きました。うちの犬たちが採光度抜群の代車に乗ったのは1日だけ。今朝は乗り慣れた車で河川敷に出かけることができました。車検代およそ11万円、やれやれ。

 河川敷に行くと、時々会う11歳の猟犬がいました。イングリッシュ・セッターにしては短毛。でもポインターではないみたいだし…。とりあえずおじさんが言うように「猟犬」ということで済ませています。連れているおじさんは足が悪くなったと言い、いつもスキーのストックをついています。

 初めて会ったとき、おじさんはストックを持っているし、犬は片方の前肢にガムテープを巻いているかと思えば、口吻をカラス防止ネットのようなもので覆っているし、ものすごく怪しくて「あまり関わらないでおこう」と思って、軽い会釈だけで通り過ぎようとしたのに、おじさんが何となく親しげに近づいて来たのです。

 仕方ないので「ワンちゃん、どうしたのですか」と聞いたら、「皮膚病になっちゃったんだけど、舐めちゃ治らないから、舐めないように口を覆っているんだ」と言うのです。続けて「岸近くにいるタヌキに皮膚病を移された」と、一時期皮膚病で悲惨な状態になっていた、今は亡きラブくんの飼い主さんと同じことを言う。

 それにしても、その口輪といい、患部に巻かれたガムテといい、それはいかがなものか…。聞けば「口輪は自作なんだ」と自慢気に言うのだけど、窮屈そうに縛り付けられていて、見るからに気の毒な感じでした。
 それからしばらくして遠目に、口輪が外された犬と散歩しているおじさんを見かけたので、きっと皮膚病も治ったのでありましょう。

 で、久し振りに会ったのだけど、その犬は本当に大人しくて、うちの犬たちも騒ぐことなくまみえることができるいい子なのです。名前も知らなかったのでおじさんに尋ねると「みんな、そう聞くけど、犬だからケンだ。ケンちゃんだ」と言う。「ワンちゃん」じゃないだけ、いいか…。
 垂れ下った乳首の大きさからして経産婦(経産犬?)みたいなので、どう見てもメスのよう。なのに「ケンちゃんだ」というから、これまた仕方なく私も「ケンちゃん」などと呼びかけてみました。

 すると、ケンちゃん、あっちこっちキョロキョロ。「こいつは猟犬だから、名前を呼ばれると、獲物がいるのかと思って辺りを探すんだ」と言う。うーん、そうなのか…。

 「ほら、この口の横と前脚に咬まれた傷があるでしょ。まむしに咬まれたんだよ」とおじさんが言うので、ぎょっとして顔や脚を見ると、確かにケロイドのように膨らんだ傷痕がありました。
 それより何より問いただしたいことは、まむしの存在です。うちの犬たちも咬まれるかもしれぬ。えらいこっちゃ!

 「この河川敷にもまむしがいるんですか!」とやや大声になったのですが、おじさんからはまったく的を得ない答えが返ってきました。「こいつは猟犬だからね、草むらに入るから」。
 そうじゃなくてぇ、この辺にまむしがいるかを聞いているんだってば。「この辺にもいるのかしら」と食い下がる私。「猟犬はあっちこっち走り回るからねえ」と言う。

 ……、話にならんと思い、「で、咬まれたあと、どうしたんですか? 血清を打ったんですか」と質問を変えました。
 「人間の場合はね、そういうでしょ。顔なんてものすごく腫れちゃって、脚もね、丸太みたいになっちゃった。でも、犬の血清はないんだってさ。先生はなんか毒消しを注射したんだね、毒消しを。それで治ったわけだよ」。ものすごく呑気な感じで語るおじさん。
 「犬は強いねぇ」なんて言うので、「なんたってケンちゃんは猟犬ですからね」と言ってあげました。
        

           立ち話に飽きたケンちゃん 

コメント (3)
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