ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

フランツ・リスト国際ピアノコンクール:嘉屋翔太さん2位入賞

2021-11-17 | ピアノ
You Tubeを開いたら、11/6頃ドイツ・ワイマールで開催された第10回フランツ・リスト国際ピアノコンクールの本選の動画が一番上にアップされていたので、何の気なしに観ていたら、日本人が2位を獲っていました。
1位は該当者がいなかったので、事実上の優勝となります。
東京音楽大学3年生の嘉屋翔太(かや しょうた)さん、21歳。
おめでとうございます。

このコンクールは、フランツ・リスト音楽大学(1872年創立。作曲家自身がその創設を計画)が母体となり実施されているコンクールで、概ね3年に一度行われているそうです。リストの国際ピアノコンクールは、リストの故郷ハンガリー・ブダペストでも行われています。

第1位 該当者なし
第2位 Shota Kaya 嘉屋翔太(日本)
第3位 Valentin Magyar(ハンガリー)、 Rune Leicht Lund(デンマーク)

嘉屋さんは、他に聴衆賞とサン゠サーンス最優秀賞も受賞しました。


ショパンコンクールのように、予選過程のビデオ映像はないので、嘉屋さんが何を弾いてきたのか不明ですが、ファイナルに残ったのは3名のみ。
嘉屋さんのファイナル演奏曲は、リストの「死の舞踏-『怒りの日』によるパラフレーズ」(Totentanz - Paraphrase über "Dies irae") 
最初に演奏したハンガリーのValentin Magyarも同じ曲です。
2番目に弾いたデンマークのRune Leicht Lundは、リストのピアノ協奏曲1番変ホ長調。
オーケストラはシュターツカペレ・ワイマール。
使用ピアノはヤマハ。
同じ曲を弾いたMagyarの繊細さを感じる演奏とは逆に、嘉屋さんの演奏は力強さが際立ちます。ピアノの独奏部分が多い曲ですが、オーケストラとの掛け合いが上手いですね。

嘉屋翔太さんの略歴ですが、開成中学・高校を経て、東京音楽大学ピアノ演奏家コース・エクセレンス3年に特別特待奨学生として在学中。第8回三善晃ピアノコンクール(2018)特別部門で第1位、第43回ピティナ・ピアノコンペティション(2020)Pre特級金賞、その他受賞多数。 
これからも実力を伸ばして、頑張ってほしいです。


動画の最後の方に授賞式と、嘉屋さんによるシューベルトのアヴェ・マリアの演奏があります。 (1:57:45)



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ソリストの弦が切れたら…

2021-11-12 | ヴァイオリン
あまりあってはいけないことですが、ヴァイオリンのソリストの弦が演奏中に切れるということは、未だ生演奏で遭遇したことがありません。

先ごろシアトルで開かれたチャイコフスキーのバイオリン協奏曲を演奏していたヴァイオリニスト、レイ・チェン(Ray Chen)にこのハプニングが訪れました、という動画がアップされました。
切れたのはE線。
コンサートマスター(以下コンマス)の弦が切れた時どうするのかご存知の方は多いと思いますが、ソリストの場合どうするかというと、レイ・チェンはコンマスの楽器と交換しました。
後のプロセスは同じ。コンマスが隣の奏者の楽器と交換し、その人は後方へ順番に楽器を交換しながら、切れた楽器を一番後ろの人が持ってステージから出て弦を張り替えてステージへ戻ります。そのあとは先ほどと逆に前へ楽器を送り、もとのプレイヤーに渡すという流れになります。
レイ・チェンは、コンマスの楽器を手にするや焦ることなく、すぐ演奏継続。途中からでも人の楽器で合わせて行けるのはさすがプロです。
演奏の合間に、持っていた予備弦を、回された楽器を手にしているオケ奏者に渡すというシーン。さすがにストラディバリウスに、オケ使用の弦で張り替えるわけには…でしょうね。

レイ・チェン: 台湾生まれ、オーストラリア国籍のヴァイオリニスト。32歳。明るくてノリが良い。



弦が切れたハプニング、何年も前ですが、井上道義さん指揮、新日本フィルによるショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」のコンサートで遭遇しました。当時のコンマスは豊嶋泰嗣さん。
この曲は、第二次大戦中にナチスドイツに包囲されたレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)で作曲され、まさに戦争をテーマとしているものです。レニングラードを守るために多くの人々の抗戦意欲を高めたと言われる、非常に壮大で力強い曲です。
演奏が進むに連れバイオリンの演奏が力強くなり、豊嶋さんの弦がプチン!
後はお決まりの楽器交換プロセス。
然し、この「レニングラード」の演奏中、コンマス豊嶋さんの弦は確か4~5回切れたのです。
最近はコロナ禍の感染対策として、コンマスの足元に予備のヴァイオリンを置いてあったりしますが、以前は見た目が悪いから許されなかったのでしょうね。


写真:Ray Chen Webより
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9月:ヘンデル「ラルゴ (オンブラ・マイ・フ) 」をバイオリンで弾く

2021-11-04 | ヴァイオリン
「ヴァイオリン名曲31選」の2曲目のレッスンは、ヘンデルの「ラルゴ」。
このタイトルでピンと来なかったのですが、譜読みをしていて「オンブラ・マイ・フ」とわかり懐かしい気分になりました。

「オンブラ・マイ・フ Ombra mai fù」は、ヘンデル作曲のオペラ「セルセ」第1幕の中で、ペルシャ王セルセ(クセルクセス1世)によって歌われるアリアです。

もう何年も前ですが、ニッカウヰスキーのCMで、広大な景色の中で女性歌手がこの歌を歌っているシーンがありました。あの透き通るような歌声はかなり衝撃的で、来日コンサートのチケットを必死で取り、来日した年に2~3年続けて聴きに行った記憶があります。
歌手の名は、キャスリーン・バトル (Kathleen Battle)です。

この曲をヴァイオリンで弾けることが嬉しかったのですが、この曲に対するイメージがすっかり定着しているため、どうしてもきれいに弾きたくて、2回のレッスンでOKは出たのに、出来栄えに納得が行かず、3回目で仕上げることにしました。
3回目の出来栄えは…やはりまだ未熟ですね。
今回はレッスンの話より、キャスリーン・バトルの話がメインになってしまいました。


Ombra mai fu
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più
こんな木陰は今までになかった
どれよりも愛しく、愛らしく
そして優しい


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9月:「マリーの金婚式」を弾く

2021-11-04 | ヴァイオリン
新しい曲集「バイオリン名曲31選」の最初のレッスン曲は、
ガブリエル・マリー(1852-1928)の
「金婚式 (La Cinquantaine)」。
曲集からどれか好きな曲を選びながら進めるという話でしたが、取り敢えず、1番目のこの曲から始めました。

この曲は子供の時にピアノで弾いたことがありますが、確か「マリーの金婚式」というタイトルだったと思います。
元々、チェロとピアノのための2つの小品の2曲目なのだそうですが、チェロよりヴァイオリンで弾かれることが多いとか…

この曲はピアノでは簡単でしたが、ヴァイオリンでは、ポジション移動、強弱表現に気をつけなければならないのと、曲中にフラジオレットが突然現れます。
私の過去の投稿にフラジオレットが出てきますが、フラジオレットとは、ヴァイオリンの場合、弦の半分のところに軽く指を載せて弾くと、開放弦の1オクターブの音がグラスハープのように透き通るように鳴る、その奏法です。

これまで4番の指(小指)をそっと置いて鳴らして単独練習していたのですが、4番の指だけでなく、3番の指(薬指)でという表示に初めてお目にかかり困惑気味。しかも、直前の音からスラーでシュッとフラジオに入るので、指の力加減が難しい。音程を気にしていると、無意識に力が入って、音が透き通らない。
これが上手く弾ければ、結構リズミカルで弾きやすい曲です。
練習して指を慣らすしかありませんね。





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