湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

持久戦まもなく小休止、年末の駆け込みスケジュール

2009-12-29 07:43:02 | 引きこもり
今は午前4時10分、大声で父が母を呼んでいる。またかと父の部屋に上ってみると、ベッドの上の照明を煌々とつけ、深夜番組のTVをつけた父が「お茶にしようと言っているじゃないか」と怒っている。今は午前4時であることを告げ、窓の外の夜空を見せた。表情を変えず、ただ黙る父。錯誤を修正されるときの父は不安定な動揺や困惑を見せない。電源が切れたようにぷつりと言動が途絶え、脳裏の闇に引き込まれているかのようだ。

尿失禁の場合が多いので、声をかけて横たわるように指示。紙パンツをチェックするが、今回は乾いており、尿意便意を問うが応答は吸い込まれたままだ。始め出会ったときの「おう!お茶にしよう」「お茶にしようと言ってるじゃないか」と私に言い放ったときの対話の躍動は、断ち切られたままだ。

私がTVと照明を消し部屋を出て1分。案の定、父は闇の中を立ち上がり、つかまり歩きでトイレに立った。小便が防水シートにこぼれる音がして、トイレの蓋の座面が大きな音で閉じた。しばらくの静寂の後、つかまり歩きでベッドに戻った。おそらく、パジャマズボンはぐっしょり濡れているだろう。尿意を告げなかったのは、父の無反応は失態から身を守るために私を遮断したのではなく、その場では実際、出たくなかったのだ。これはホームから帰ってきたときも、ベッドに誘導途中に便意を確認したときも必ず「出たくない」と答え、ベッドに横たわらせて別れた直後にベッドからトイレに立ち上がるのだ。誰が誘導しても同じことなので、介護者の介入を避けているのではないようなのだ。

このような昼夜逆転の錯誤は、軟便騒動の夜中や、ホームに出かける日の早朝、「玄関に迎えが来ている」という具合に、場面を限定し興奮を伴って出てくる。夜中に階段を降りてくるのも、こんな日だ。

前夜18時、私が大掃除初日と夕食の準備を済ませて出勤、まもなく大和を通過する頃、母から父が失禁後尿の中に座り込んでいると携帯連絡が入った。私が家に戻った23時過ぎ、父は自力でベッドによじ登っており、着替えをすませていた。母が床を拭いたペーパータオルの山が甘い悪臭を放っていた。母の話では、幼児用のテーブル椅子を横において、父をよじ登らせたという。30分は試行錯誤の連続だったとか。私は父に「ただいま」と言い応答を待ったが、父は「TVをつけてくれ」と、既に点いているTVを指差した。

これが予告編というわけだった。午前2時。「**君(ホーム職員)が入れ歯を持っていってしまった」と私を呼んだ。闇の中、布団を被っており目は閉じたままだった。寝惚けたのかと布団を直し、そっと紙パンツチェックし、階段を降りた。その2時間後だった。私のように夜間傾聴待機で夜中起きている者でも、待機の合間、別の作業のないときは仮眠を取っている。それが父の症状でかき回される。

午前中は、私の生活を知らない方やCMの電話、夜中から捨ててはいけないといわれる厄介なほぼ連日のゴミ捨て、日のあるうちにと干さねばならぬ布団や洗濯物、父の朝食、ホームへの父の送り出し、身辺介護・看護の受け入れ、午前中以外都合がつかない方との面談や巡回、授業支援、昼前後の社会活動企画など睡眠は分断される。生活の必要の中の力技は、現場に行ってから眠る。だから、私は予定の隙間を拾い上げては必要の読書と仮眠に割り当てる。ここは私のライフラインであるが、ここが見事に父の錯誤によって吹き飛ばされていく。これからもっとひどくなることを思うと、持久戦の短期見通しが必要となる。施設入所の方向で我が家は動いているが、有料ホームとの折り合いがつかない。母が寝込んだらとお互いに思う。これは介護を支える他の家族共通の光景だろう。高齢者介護は個人責任を超えている。子育てと同様、社会の課題なのだ。

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今日から大晦日まで、父はショートステイ2泊3日に出て行く。出来ることなら三賀日もとケアマネさんに頼んで断られた。4日がデイサービス、翌日5日から2泊3日のショートステイが認められて、正直、ほっとしている。

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私の契約している予備校の冬期講習は、高齢講師は明日30日で御用納め、4日から再開となる。塾の方も同じだが、3日に新年会が塾企画で行われる。高校生は別集団を組んで抜け出すらしいので、成人中心組(もともと3日出てこないが)は、勝手に組んでは出掛けていく。だれも小学生の面倒を見ないのがすごい。

昼間の大掃除を見越して30日は、昼間の授業コマを取る講師が多数派だが、高齢講師は半数が無給欠勤する。私も今夜巡回を最後にその無給欠勤の半数に入ることに。30日は夕方から「(湘南)あすなろ会」の忘年会で「『ホームレス』と出会う子どもたち」の試写を行う。父を預けているので、どれほど気が楽かしれない。終了後、母を外食に引き出す。18時過ぎには忘年会を引き上げる。

駆け込むように年が過ぎ去っていく。30日は持久戦のメインテナンスである。

p.s. 夜間傾聴・緊急相談は休みがない。自宅が針の筵(むしろ)の引きこもり青年(中年?)の何人かは、駒沢公園でまた集まるらしい。私はパス、パスと言ったらパス。


夜間傾聴:旗の台君(仮名・この時期になると活性化するのはなぜ?傾聴にあらず。)
     橋本2君(仮名)
     ******君(仮名)


(校正2回目済み)

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