ブログ うつと酒と小説な日々 その上しょっちゅうホラー映画  

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさん(とびお)の日記

椅子

2020年07月25日 | 文学

 昨夜は晩酌が過ぎたのか、少々だるい朝でした。
 あるいは不規則な天候も原因の一つかもしれません。

  最近、私の部屋に謎の黒くて小さな粒を見かけるようになりました。
 それがいよいよひどくなり、原因を探ると、事務用椅子のキャスターのところの一部が欠けており、ずいぶん前から少しづつ進行していた様子です。

 この椅子、25歳で一人暮らしを始める時に購入したもので、じつに25年間も使っていたことになります。

 さすがに寿命と見えて、買い替えることにしました。

 私が住むマンションから徒歩でほんの5分ほどの場所に、大型の家具屋があります。
 そこに行ってみると、じつに様々な椅子があります。
 わずか3,000円ほどの物もあれば、革張りで何十万円もの高級品まで。
 いちいち座ってみて座り心地を確認したところ、11,000円の椅子が気に入りました。
 高い物は社長室にでもあれば似合うのでしょうが、私の部屋のパソコン・デスクの前に置くと、でかいばかりで機能的ではありません。

 購入することを決めました。
 古い椅子は500円で引き取ってくれるとのことで、車に載せてきたので、即日、新しい椅子の登場となりました。

 古い椅子、よく25年間も頑張ってくれました。

 思えば25年前、私は数年のうちに小説家としてデビューし、職を離れることになると信じていました。 

 しかし、同人誌に参加してみると、セミプロのような人がたくさんおり、そのような人々のなかでさえ、一歩突き抜けることは困難だと感じるようになり、いつしか、今の職場を辞めれば、経験も無く、技術もない、食うに困ることは必定だと思うようになりました。

 そのうえ精神的な病さえ発症し、いよいよ八方ふさがりということで、私は今の職にしがみつくしかないと心に決めました。

 プロ野球の選手になりたいとか、アイドルになりたいとかいう人は、年齢が決定的なネックとなり、早々に夢を諦めることでしょう。

 しかし小説家というもの、60歳を過ぎて売れる人もおり、なかなか思い切るのは難しいものです。
 きわめて稀な例だとは思いますが、黒田夏子という作家は、「abさんご」という小説で、75歳にしてデビューし、同作で芥川賞を受賞しています。

 そのような人の存在が、私を勇気づけるかというと、その反対で、ただ諦めと嫉妬を感じるだけです。
 私にはそのような粘り強さはないし、怖ろしいことですが、才能もないでしょう。

 私はいつしか芥川賞と直木賞のニュースを見なくなりました。
 嫉妬してしまうからです。

 自分でも小さいやつだと思います。
 最近やっと、芥川賞と直木賞を受賞した作品を読むことが出来るようになりました。
 私の精神の運動が消滅した証拠でしょうね。

 しかしそれでも、生きていかなければならないし、そのためには食わなければなりません。
 しんどいことです。

 そのような精神の変遷を、古い椅子は25年間もn見続けてきたわけです。
 椅子の買い替えとともに、何も書かなくていいから、精神の運動を復活させたいものだと思います。  


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