新型コロナ・ウィルスを怖れるあまり、19歳の女性が自殺した、という話を聞きました。
にわかには信じがたい話です。
しかし、世の中には、病気を怖れるあまり、精神を病む、病気恐怖症というものがあるそうです。
恐怖症と言えば、高所恐怖症・閉所恐怖症・対人恐怖症などが知られています。
要するに一つのことに執着するあまり、そのことが頭から離れなくなり、ついにいは恐怖症に至る、というわけです。
病気恐怖症もそのうちの一つ。
エイズが発見されたときには、主に風俗遊びを好む人々やゲイの人が、この症状に苦しんだといわれています。
その時の流行り病を怖れることはよくあることです。
この症状の特徴は、何度も検査をして、健康だと診断されても納得できず、ドクターショッピングを重ねたりすることだそうです。
いくら恐怖を感じても自殺にまで至ることはほとんど無いでしょうね。
病気恐怖症の根本には、死への恐怖があるはずで、自殺するというのは本転倒と言うべきでしょう。
そういう意味では、自殺したとされる女性は、病気恐怖症ではなかったのかもしれません。
コロナが怖いといえば、多くの人がそうだと思います。
私も怖い。
江戸時代、「曾根崎心中」が流行ったときには、心中するカップルが続出したという記録が残っていますし、近くは女性アイドルが自殺した際、後追い自殺する若者が多くでました。
自殺にも流行があるというのは解せません。
しかし、世の中に解せないことはあまた存在します。
そうであってみれば、新型コロナ・ウィルスを怖れてどういう行動をとっても不思議はないということでしょうか。