おそらく今回の震災で最も都心部に近い被害地は、東京ディズニー・リゾートで有名な千葉県浦安市ではないでしょうか。
液状化でマンホールから泥水があふれ、家や電柱が傾いた様は、直接津波を受けなくても埋立地はこんなになってしまうのか、と驚きでした。
浦安には私の友人・知人が多く住んでいます。
彼らは東北の被災地を思えばたいしたことではない、と強がっていますが、上下水道がストップし、風呂にも入れず洗濯もできない状況だと聞きました。
被害状況がそれほどひどくないため、かえって支援の輪が広がらない、とも。
マンホールが飛び出した浦安市の写真です。
浦安に限らず、幕張とかお台場とか大丈夫なんでしょうかねぇ。
ほとんど報道されないのでわかりません。
浦安ほど埋め立てが新しくはないので、少しはマシなんでしょうか。
昔からお金持ちは高台に、庶民は下町に住むというのは、こういうことが大きな要因なんでしょうね。
今、頑張ろうの大合唱で、それは結構なのですが、こういう時、世の無常を感じ、何もかもがつまらなく、悲しく思うのも、故なしとしません。
つきつめて なにが悲しといふならず 身のめぐりみな われにふるるな
若山牧水の歌です。
意訳すると、考えてみても何が悲しいということもないが、私をほうっておいてくれ、というほどの意かと思います。
とくだん災害を詠ったものではありませんが、被災者のみなさんの心情にも相通じるのではないでしょうか。
体育館にすし詰めになって、プライバシーもなく、食う物にも困り、暖を採るのもままならない、そんな状況の中では、上の歌のような心境に襲われるのはむしろ当然です。
人類の叡知を結集しても、自然の猛威の前にはなすすべもありません。
われにふるるな。
若山牧水歌集 (岩波文庫) | |
伊藤 一彦 | |
岩波書店 |