ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

夜行秘密

2024年08月18日 | 文学

 今日はとても魅力的な小説を読みました。
 「夜行秘密」です。

 作りは、いわゆる群像劇になっています。
 登場人物が次々と一人称で告白し、それがやがて一つの物語になっていく、という。

 天才映像作家、その熱狂的なファンの女、MVを作ってもらうことになった新人アーティスト、新人アーティストの恋人、天才映像作家のマネージャーを務める美女など。
 それらの人々がそれぞれの立場で告白し、それらが大きなうねりと小さな誤解とを生んで、悲劇的な物語へと昇華します。

 物語の終わりが近づいて、もう新人ではなくなったバンドのヴォーカルが独白します。

 おれが思い出すのは大抵、楽しかった記憶とかじゃなくて、後悔の記憶だ。あの時、ああしていれば良かったと、記憶を巻き戻してみては、選ばなかった方の人生を想像してしまう。どうしても輝いて見えるBルートを想像しては、そっちの未来を願ってしまう。

 非常に印象的です。

 おそらく、後悔の無い人生なんてあり得ないと思います。
 あの時、こっちではなくてあっちを選んでいたら、と空想するのは誰にでもあることです。
 私など、そんなことがあまりにも多くて、後悔と言われれば、後悔だらけで54年11カ月生きてしまいました。
 今月で55歳になります。

 この小説は極めて緻密で読みやすい文章で作り上げられた上質なエンターテイメントであり、さらに上のような人生の真実を突いた告白が散りばめられた愛おしい物語です。
 是非ご一読ください。


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日本の職人

2024年08月18日 | 散歩・旅行

  昨日はそごう千葉店に出かけました。
 家にいてもクサクサするし、遠出は面倒くさいということで。
 気分を上げるため、濃紺の麻の着物で出かけました。
 この着物、極めて肌触りがよく、涼しいので気に入っています。

 11時半に到着し、そごう千葉店では馴染みの喫茶店でビーフカレーとサラダと冷製スープのセットを頼み、食後に紅茶を楽しみました。
 最近、珈琲を飲むとドキドキするようになり、紅茶を飲むようになりました。
 加齢に伴う嗜好の変化でしょうか。
 食後に無駄話などして、お店を出たのが13時。
 お昼に90分もかけるなんて休日ならではの贅沢です。

 その後6階催事場で催されていた「日本の職人」を観に行きました。
 御琴や三味線、尺八など和楽器の店があって、御琴には100万円以上の値が付いていてびっくり。
 どんな人が買うんでしょうね。

 その他鎌倉彫やら南部鉄器やら藍染やら着物やら漆器やら、多くの我が国が誇る職人技を見せてくれました。
 冷やかすだけで何も購入する予定は無かったのですが、印傳の長財布に興味を持ちました。
 見れば見るほど興味が湧き、ついに購入。
 どれを購入するかで迷いに迷ったのですが、下の写真の物を購入しました。
 
 

 私は二つ折の財布しか持ったことがありません。
 ズボンの後ろポケットに突っ込むことを慣例にしているため、二つ折で無いとダメなのです。
 しかし着物で出歩く時にはひどく無粋に見えます。
 着物の時は巾着を持ち歩くので、長財布でも大丈夫ということで、今回購入しました。

 衝動買いをするといつも軽く脱力します。
 もう15時になっていたので喫茶店に入り、ミルクティーを飲んで心を落ち着けました。
 ここでもたっぷり一時間過ごしました。

 16時から30分ほど本屋を覗き、ミステリー1冊とエッセイ1冊を購入。
 その後デパ地下で和食のお弁当を購入して帰路につきました。

 シャワーを浴びて焼酎を軽くやりました。
 良い休日だったと思います。


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