昨夜、中村文則のベストセラー長編、「教団X」を読み終わりました。
教団X (集英社文庫) | |
中村 文則 | |
集英社 |
自分の元から突如失踪した彼女を追って、カルト教団と思われる団体にたどり着いた男。
しかしそこはカルト教団と言えるような者ではなく、宗教や量子力学を学ぶゆるやかな団体。
その団体にかつていた男が、名前の無い、性の解放を謳うセックス教団を組織しています。
公安は彼等に目を付け、Xと呼んでいます。
仏教、量子力学、キリスト教、アフリカの土俗宗教などについての考察が延々と語られ、中だるみします。
そして、性、貧困、全体主義、平和への理想、テロなどが、これでもかと詰め込まれ、小説として破綻しているように感じました。
魅力的な題材を扱っているのに、もったいないと思います。
もう少しテーマを絞り込むべきでした。
お勧めできない一冊です。