ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

短夜(みじかよ)

2017年07月19日 | 文学

 梅雨明けはまだ宣言されていませんが、このところの陽気を見るかぎり、もう梅雨はあけているようです。

 今年はあまり雨が降らなかったように感じます。

 秋の夜長に対して、夏は短夜(みじかよ)と言われます。
 夜長に比べて暑苦しいイメージがある季語ですが、夏には夏の風情があり、それを感じさせてくれます。

 もっとも、現代ではエアコンが普及していますから、熱帯夜で寝苦しいということもないのではないでしょうか。
 私ももう四半世紀ばかり、夏の夜は冷房を入れっぱなしで、寝苦しい夜はせいぜい大学生くらいまでの、昔の思い出に過ぎません。 

 みじか夜の 残りすくなく ふけゆけば かねてものうき あかつきのそら

 「新古今和歌集」
にみられる短歌です。


 これは夏の夜に恋しい女性のもとに行き、その逢瀬を楽しみながらも、夜の短さを恨むというものです。

新古今和歌集―ビギナーズ・クラシックス (角川ソフィア文庫 88 ビギナーズ・クラシックス)
小林 大輔
角川学芸出版

 恋の歌と思えば、物憂さもどこかメランコリックな心地よさがあるのでしょうが、疲れた中年サラリーマンの私には、そんなロマンティックな味よりも、朝が来てしまい、また出勤しなければならない憂鬱を思い浮かべてしまいます。

 私もとんだ野暮天ですねぇ。

 そういう見方をすると、物憂いのは季節を問わず。
 朝、起きなければならないこと自体が憂鬱なことです。

 私にも夜があけるのを惜しむような逢瀬があれば、人生に彩りをもたらすことができるのでしょうね。

 しかし、私は結婚して20年目を迎えました。
 新しい恋をするような余力は残っていません。

 せめてはあまたある恋の短歌でも紐解きつつ、短夜を過ごすといたしましょうか。


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