昨日はずいぶん水の事故があったようですねぇ。
楽しい川遊びや海水浴が、一転、地獄絵図に変わってしまいます。
怖ろしいですねぇ。
私が幼い頃を過ごしたのは、江戸川のすぐ近くの町でした。
ちょうど「男はつらいよ」シリーズで寅さんが立ち寄る葛飾柴又の辺りから、江戸川沿いに車で南に20分ほど下った、江戸川区篠崎という辺りです。
江戸川は大河ですので、子どもだけで江戸川の河川敷に行くことは厳禁でした。
子どもたちもあまりの川の大きさに、そこで水遊びをしようなどとは考えもしませんでした。
水遊びはプールで、というのが常識でしたねぇ。
しかし安全なはずの学校のプールでさえ、時折溺死する子がいますね。
先生たちもプールは不安の種でしょう。
そうは言っても、子どもたちは夏の水辺を精いっぱい楽しんでいます。
石がけに 子ども七人 こしかけて ふぐを釣りおり 夕焼け小焼け
北原白秋の歌です。
ふぐっていうのが本当かよと突っ込みたくなりますが、そういう地方なんでしょうね。
のどかに釣りを楽しむ少年たちの姿がほのぼのと浮かびます。
草わかば 色鉛筆の赤き粉の ちるがいとしく 寝て削るなり
同じく北原白秋の歌ですが、中学生の頃この歌を知って、私はなんとなく、江戸川土手に寝転がって色鉛筆を削る初夏の一日を過ごしたのです。
大人も暑い夏に水を使うのは楽しいですね。
夏川を こすうれしさよ 手にぞうり
与謝蕪村の句です。
手に草履を持って、裸足で夏に川を渡るのが冷たくて足に心地よいのでしょう。
この程度のことでも楽しむ、空調のなかった時代の人の苦労がしのばれます。
水の事故には十分注意しなければなりませんが、あんまり委縮して、水辺には一切近寄らない、なんてことにならないようにお願いします。
人間は水なしでは生きられないのですから。
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