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TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」149

2019年06月11日 | 物語「約束の夜」
「やばいよ、やばいよやばいよ〜」

頭を抱えるツイナ。

「どうしたのツイナ?
 急に出川のマネ??」

そうではない。

「ノギは拐われちゃうし
 取り残された俺たちは迷子で
 砂漠を進みようがないし
 どどど。どうしよーーう」

やばいよ、やばいよ!!

「彼らの感じだと、
 ノギの命を奪うって風には
 見えなかったわね」

むしろ、どうにか迎え入れたい
という感じだった。

「そんな事言ったってヨシノ」

ツイナは言う。

「1人拐われた仲間が
 どうなるか分かってんの!!?」
「とりあえず、
 捕らえておく感じ??」
「そう、牢屋、監禁、
 ………このままでは」
「このままでは??」

ツイナは言い澱みながらも言う。

「い、いやらしい目に遭ってしまう!!」

知ってる、俺が呼んだマンガとか
だいたいそういう展開だった、と。

「体は正直じゃねぇかとか
 そんなん!!そんなん!!!」

「ツイナはそういうプレイの本を
 よく読んでいたのね」

どっちにしても

「確かに、助けに行かないとだけど」

そもそも、ノギを攫っていった彼ら。
裏一族なのか、
また違うのか分からないが。

「我らの元へ来いと言っておきながら
 行き先ぐらいは告げて行くべきよね」
「確かに!!」

そんなこんな話している間にも
辺りは暗くなっていく。

「砂一族の村へ助けを呼びに戻る?」

けれど、
戻ると言っても。

「地点もあるし。
 暗くなってからは動かない方が良さそう」
「だよねぇ。
 うーん、今日はここで野営か」
「冷えてきたわね、
 ツイナ、なにか寒さを凌ぐ物、持ってる?」
「近い近い!!」

ヨシノのパーソナルスペースゼロ。

「駄目だよ、ヨシノ、そんな!!」

きゃーっと照れるツイナ。

「遭難時に体を温めるの定番。
 素肌で、とか、まだ、物事には順序がああああ」

いやあああ、と
なんかテンションがおかしいツイナ。

「ほら、ツイナ、
 ちょっと荷物を見せて」
「そんな、ヨシノ、そんな強引に、駄目だって
 きゃああああ……あ?」

「…………」

「あ?」
「あれ?」

二人の視線の先には
何だか気まずそうに立つ砂一族の青年が。

「俺って、今、お邪魔かな!!?」

「「ケヤ!!!」」

「それとも、三人で!?」

「そうじゃない!!」

はあ!!と
上がっていたテンションがいったん落ち着くツイナ。

「なぜここに!!」

「なぜって、
 一緒に行こうって言っていたのに
 俺の事置いていきやがって」

「それはね、
 ツイナがケヤの事怪しいって」
「ふぅん、俺が」
「うわああああ、
 なんでばらすのヨシノぉお」

「なんだよ、折角」

ケヤが荷物を取り出す。

「野営できる、毛布、パンなどの食事、
 ちょっとしたお菓子に、
 夜の時間を優雅に過ごせる楽器など揃えていたのに」

「「想像以上に本格的!!」」

それが、なんだって、と
少し不満げなケヤ。

「俺が、怪しいねぇ?」

「だって!!」

ツイナの主張。

「俺達、各一族に潜む
 裏一族に狙われていて、
 ケヤもその類かなぁと」
「裏?俺が!?
 なんでそうなる?」
「いや、ノギが
 最近ケヤに見張られているって」
「そりゃあ、心配してるからだし」
「あうう。
 すみません。ソーリー」

で、とケヤは問いかける。

「それで、
 俺がなんでここに来れたかというと
 謎の地点爆発音を追ってきた訳だけど」

辺りを見回し言う。

「ノギはどこ行ったんだ!?」




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