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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」90

2021年11月19日 | 物語「続・夢幻章伝」
「帰ったのか」
「おう!」
「休んだら、やることをやっておけよ」
「判ってるって!」
「・・・で、」

こほん、と、タツキの父親は咳払いをする。

「どちら様だ?」

「「「お邪魔します!!」」キコ!!」

タツキの後ろに立つのは、南一族ふたりと蛇。

「何か変なのがしゃべっている・・・」

ああ、もう、何これ、と
タツキの父親はじろじろ見るしかない。

「・・・ええっと、ごゆっくり」

「「「ありがとうございます!!」」キコ!」

「いいの、親父!?」

「とりあえずはお茶でも出しなさい」

「判った!!」

母さん!!と、相変わらずのでかい声をタツキは出しきり、お茶の準備へと向かう。

そして遠慮なく坐りだす3人。

「東一族の一般家庭の家って、こうなっているのね」
「ふむふむ。違う一族ならではのこだわりが、」
「ここからは民宿の旅キコ」

「(民宿!?)」

こほん、と、もう一度咳払いをし、

「旅のお方、何のおもてなしも出来ませんが、今から出掛けるので、」
「大丈夫よ! 適当にやるし、手伝えることはやるから!」
「夕はんの買い出しとか、市場に行けばいいのか?」
「申し訳なくも、ありがとうキコ」

「(夕飯の買い出し!?)」

「はいはいお茶ね!」

どーんと、タツキの母親はお茶を出す。

付け合わせに

焼き立てのパン
スープ
果物
焼き菓子
サラダ
揚げ物
チーズ・・・云々

「お茶!?」

マツバは立ち上がる。

「何のお構いも出来ませんけどねぇ。いつもお世話になっております」

深々と頭を下げる、タツキの母親。

「おかわりならまだあるから。さあ、どうぞ」

「これが、お茶ですって!?」
「はあ、うん。東一族は肉とか食べないから、こんなんばかりだけど」

と、タツキはもぐもぐほおばる。

「ほら、食べようぜ」
「なんて素敵なの、東一族!」
「すごい量だ・・・」
「これがおやつキコ!?」

夕飯これで、OKじゃん。

「しかもおいしい!」
「だな!」
「満たされるキコ!」

来るときの高級馬車で、たらふく食べたじゃないかい。

「毎日これなのか?」
「私、東一族になってもいいわ」
「転一族キコ」

3人は改めて頭を下げる。

「「「ごちそうさまです!!」」キコ!」

すごい食欲だ。
タツキの父親は、じりじりと汗が出てくる。

「母さん、夕飯何?」

「大人数だから、鍋でもしましょうか。キノコ鍋」

「キノコ!」
「それはうれしい!!」
「いえい、キコ!」

タツキの父親は手をあげるしかない。

「ちょっと、訊ねるが」

「「「はいっ!」」」

「もしかして、泊まるの?」

「「「はいっ!!」」キコ!!」

3人はきりっとする。

「「「「ついでに、スタンプの場所教えてください!!」」」




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