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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」6

2020年12月18日 | 物語「続・夢幻章伝」
「それじゃあ、注意事項説明するぞー!」

和菓子屋の兄貴の言葉に
ほとんど店を出ていたアヅチとマツバは店内に戻る。

「なんかもう、スタートの流れかと!」

ノンノンノン、と、和菓子屋の兄貴は、指を振る。

「これだけの豪華賞品だ。大切なルールがある!」

南一族の威信にかけて!
清く正しく美しく!!

「学校の体育館に飾ってある言葉だな」

和菓子屋の兄貴は、こくりと頷く。

「大切なことはひとつだけ」

「「ごくり」」

「ずるをしてはならない!」

ぼっかーーーーん!!(雷が落ちた音)

「ずるを」
「してはならない!」

「よくあるのが、チーム参加だ」

「つまり?」

「二手に分かれて回ろうなんぞ思うなかれ!」

ぼっかーーーーん!!

「・・・・・・!!?」

アヅチとへび呼ロイドは、マツバを見る。

「今の音は!」
「マツバ! お前か!!」

「・・・・・・くっ」

マツバは顔をゆがませる。

「マツバが、そんなずるを!!」
「お前っ」

「ばれちゃ仕方ないわね!」

和菓子屋の兄貴が、マツバを制する。

「南一族は清く正しく美しく、だ!! アスカさんを見て見ろ!」

ここには、いないけど。

「あれほど、清く正(略)な人が他におろうか」

「親父は純粋だからなぁ」

BYアヅチ。

「マツバいったい何を考えているの!?」

へび呼ロイドは、首をキコキコする。

「私はただ・・・、」

マツバは首を振る。

「豪華賞品がほしかっただけ!!」

ぼっかーーーーん!!(3回目)

「マツ、」
「バ・・・!!」

「豪華賞品がほしくて、ずるをして何が悪いの!?」

「いや、だから、」

「豪華賞品は私のものよー!!!」

よーー!! よー!! よー!!(エコー)

「ふっ、気持ちは分かる」

和菓子屋の兄貴は頷く。

「うん、ただ。「私のもの」ってひっかかかるけどね」

へび呼ロイド遠い目。

「それに、西に行きたくなんか、なーい!!」

マツバ、再度の叫び。
人は、何かを並べて伝えたいとき、最後に云った方が本音だと云う。

「しかし忘れてはならない」

和菓子屋の兄貴は、試食を飛び出す。

「何事もスポーツマンシップ、そして、楽しむことを!!」

試食分を食べる。

「仕方ないわね」

マツバは息を吐く。

「お前・・・」

マツバは、アヅチを見る。
頷く。

「行きましょう!!」

心は決まった。
西へ!
西一族の村へ!!

「頑張って来いよ」

和菓子屋の兄貴は3人を、夕日を、見る。(今、朝だけど)

「「行ってきます!!」」

ついに!
今度こそ!!

冒険がはじまる!!

「あっ、そう云えば」

和菓子屋の兄貴は、アヅチに耳打ち。

「君のお姉さんは元気かな?」





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