南一族の村に着くと、満樹は馬車を降りる。
「もう、勘違いされてたし」
気にしているんだか、根に持っているんだかの満樹。
「いや、気にすることはない!」
「そう、なのか?」
「そんなことより前を向け!」
「??」
「この広大な畑!!」
「!!」
「豆の収穫が待っている!!」
「って、飛鳥っっさん!?」
「おお、満樹よ!!」
さっそく再会してしまった、南一族の飛鳥。
満樹の肩をばしばし叩く。
「3、4日ぶりだな!!」
「・・・・・・」
「じゃ、さっそく!!」
「え、何!?」
かーご。
まごうとなき、かご。
「これ、は?」
「収穫!!」
「しゅう、かく??」
「豆のな!!」
南一族特産豆。
収穫期通年。
(これまでのTOBA作品統計の結果)
「飛鳥さ、」
ものっすごい力。
「ちょ、ちょちょっと!!」
でも、ここで魔法行使しないのが、東一族のいいところ。
されるがままに、満樹は畑へと連行される。
「満樹よ! 俺たち仲間だもんな!!」
いつでも楽しそうに、飛鳥は笑う。
「まさか、こんなすぐに会うとは・・・(小声)」
水辺8一族の中でも、南一族は随一の広大な敷地を誇る。
適当に歩いては、
そう簡単に知り合いには会えないはず。
「満樹よ! 豆の収穫はこう!」
「えーっと、こう、ですか?」
「満樹よ! 豆の収穫は、優しく的確迅速に!!」
「こ、こう?」
「満樹よ!!」
「その、満樹よ、ってやめてもらえません?」
「満樹代! 声の掛け合いは大切だ」
「声の掛け合いじゃないし、名まえが違うし」
日差しが強い。
広い畑で、何人かの南一族が収穫を行っている。
びっくりするほど、飛鳥の手際は、ずば抜けている。
優しく的確迅速!!
何だろう。
その中に混じっている、謎の東一族。
「いや、俺、ツイナを待っているんだけど・・・」
「ツイナ!?」
「わっ!!」
すぐ横に飛鳥。
大切なことは聞き逃さない。
ずずいっ
「ツイナって誰だ!!」
「えっと」
「何だ! 海一族の仲間が増えたのか!?」
「えぇえ(汗)」
云ってないよ、そこまで。
「ついに、南一族の追加キャラだな!」
「おぉ・・・」
「急ぐぜ!!」
何だか、面倒くさいことになりそうだ(心の声)
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