<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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羽田空港に着いて京急に乗ろうと地下へ向かって歩いていると、壁に「岩国錦帯橋空港開港」のポスターが。

「また、地方空港?100港目か」

静岡空港であれだけ物議を醸しだしたばかりなのに、またまた地方空港が作られたことに驚きを感じたのであった。

静岡空港は完成前に用地確保が不十分で、航空法に抵触する建物のために予定通り開港できなかったり、利用者が少ないために運行路線確保が危機的状況に陥ったりと、なにかと話題が絶えなかったのでよく覚えている。
新しい空港を作るのに、何百億円もの巨費を投じるなんて、なかなか他人のお金=税金でなければできない芸当だ。
静岡県は日本でも有数の過ごしやすい地方として知られているし、私も暖かい雰囲気がなかなか好みなのだが、こと空港運営についてはお気の毒としか言い様がない。

そもそも地方空港は東京とを結ぶ路線便で収益を上げているのが現状。
ビジネス利用のお客が多い東京線を開設して便数を確保するのが一般的だ。
ところが静岡は東京に近く、飛行機の路線を開設するメリットがない。

静岡駅から東京までは新幹線で1時間。
これに対抗してもし航空路線を開設したら.......
搭乗手続きに30分。
飛行時間はタクシングを含めて30分。
荷物があって下りる手続きに20分。

となると航空路の方は1時間以上もかかってしまうという算段になりビジネスとして成立しない。

百歩譲って大阪との路線便となると、これも対して変わらない。
静岡から大阪までは新幹線だと1時間半。
これが航空路だと同じぐらい。
都心部から空港までの移動時間が余分になり、結局意味を成さない。
やがて空港運営は慢性赤字に陥って、中国や韓国からのLCCを受け入れるようになる、というのがオチなのかもしれない怖さがある。

さすがに、最後の地方空港と言われる「静岡空港」の非経済性に国も市民も絶対に懲りただろう、と思っていたら新しい地方空港「岩国錦帯橋空港」が誕生するという。
ビックリするのも無理はないというところだ。

「それにしても、なんでまた新空港なんだ」

と思って、落ち着いてから調べてみたら岩国錦帯橋空港は静岡空港のような新設の空港ではなかった。
もともとある米軍岩国基地を利用して民間機も乗り入れようという発想から生まれた空港なのであった。
しかも、この空港は40年以上前までは一般の空港としても機能していたということで、新空港ではなく復活空港なのでもあった。

さらにアクセスが便利なようだ。
なんと自動車でJR岩国駅からわずか7分。
この空港は山口県にあるのだけれども、広島市民にとっては現在の広島空港とあんまり変わらない距離になる。
広島市から東に行けば広島空港、西に行けば岩国錦帯橋空港、というわけだ。
適度な距離にあるので、たぶん宇部空港ともかち合わない。

つまり新幹線と競争できる空港なのであった。

「米軍基地。時代の流れで、軍事だけでは使わせませんよ」

という長州人のクールな考えを伺い知ることができて、実に面白いアイデアの空港だと思ったのであった。

ということで、静岡空港と岩国錦帯橋空港。
似ているようで、ちっとも似ていない2空港なのであった。

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