民主主義選挙における<多数決>のあり方について、なかなか興味深いお話がありましたのでご紹介します。
(坂井豊貴慶應義塾大学経済学部教授)
<多数決>の致命的な欠陥は「票の割れ」です。
典型的な例として2000年の米大統領選を挙げます。
民主党のゴアが優勢だったのに、結果的には共和党のブッシュが勝つのです。
実際の票数とか、いろいろあったのですが、ラルフ・ネーダーという第三の候補者が参戦することになり、右派のブッシュに対して、左派のゴアの票をさらに左派のネーダーが致命的な形で食うことになったのです。
日本でも同じような例があります。
2014年衆院選東京一区です。
1位 山田美樹(自民) 107,015票
2位 海江田万里(民主) 89,232票
3位 冨田直樹(共産) 32,830票
民主党と共産党が<選挙協力>していれば、海江田候補を勝たせられた。
・・・そもそも選択肢が三つ以上あるとき<多数決>というのは多数意見を反映するとは限らない・・・ということです。
アメリカの作家アイン・ランドの<法廷劇>が興味深い示唆を示しています。
殺人罪に問われているの女性をめぐって、「人を殺したかどうか」検察側と弁護側が激しいやり取りを行う。
劇の終盤に、芝居を観ていた観客の中から陪審員が何人か選ばれる。
そして多数決で決定される。
この作者は訴える。
「この法廷で審理を受けているのは、彼女だろうか? 断じて違う。紳士淑女の皆さん、それは陪審するあなただ。あなたがあなたの判断を言い渡すとき、明るみにさらされるのはあなたの魂なのだ」
・・・要するに投票で<民意>が明らかになるというよりは、むしろ<民度>が明らかにさらされるものなのだ、ということです・・・
(坂井豊貴慶應義塾大学経済学部教授)
<多数決>の致命的な欠陥は「票の割れ」です。
典型的な例として2000年の米大統領選を挙げます。
民主党のゴアが優勢だったのに、結果的には共和党のブッシュが勝つのです。
実際の票数とか、いろいろあったのですが、ラルフ・ネーダーという第三の候補者が参戦することになり、右派のブッシュに対して、左派のゴアの票をさらに左派のネーダーが致命的な形で食うことになったのです。
日本でも同じような例があります。
2014年衆院選東京一区です。
1位 山田美樹(自民) 107,015票
2位 海江田万里(民主) 89,232票
3位 冨田直樹(共産) 32,830票
民主党と共産党が<選挙協力>していれば、海江田候補を勝たせられた。
・・・そもそも選択肢が三つ以上あるとき<多数決>というのは多数意見を反映するとは限らない・・・ということです。
アメリカの作家アイン・ランドの<法廷劇>が興味深い示唆を示しています。
殺人罪に問われているの女性をめぐって、「人を殺したかどうか」検察側と弁護側が激しいやり取りを行う。
劇の終盤に、芝居を観ていた観客の中から陪審員が何人か選ばれる。
そして多数決で決定される。
この作者は訴える。
「この法廷で審理を受けているのは、彼女だろうか? 断じて違う。紳士淑女の皆さん、それは陪審するあなただ。あなたがあなたの判断を言い渡すとき、明るみにさらされるのはあなたの魂なのだ」
・・・要するに投票で<民意>が明らかになるというよりは、むしろ<民度>が明らかにさらされるものなのだ、ということです・・・