昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(324)錦織 圭の何が変わったのか?

2015-01-14 04:30:20 | なるほどと思う日々
 1年前ランク17位だった錦織圭選手は今やランク5位、4大タイトルを手中にできる可能性も出てきた。
 1年前、彼はランク下の選手に敗れて、壁にぶつかっていた。
 トップレベルの戦いは、ベースラインで打ち合うパワーテニスが制していた。
 体格・パワーの面で劣る彼はそれ以上のランクアップを諦めていた。
 しかし、彼より体格が劣っていながら、全仏を制しランク2位まで登りつめたマイケル・チャンという存在に着目し、教えを請うことにした。
 

 チャンコーチは当時の錦織をどう見たか。
 先ず、自信を失っている。
「フェデラーを尊敬している」などと、当面の敵を褒め称えているようでは、端から勝負にならない。
 
 錦織はパワーに劣るかもしれないが<俊敏性>という特徴を持っている。
 身体の大きさなんて関係ない、彼の長所を活かした戦いをすればいい。
 チャンはここに着目した。
 
 彼にたたき込んだのは、「前で戦う」攻撃的なテニスだった。
 つまり、ベースラインに近いところから、相手に予測させない素早いリターンショットを放つ。
 
 不安定な体勢から打たなければならないので、瞬発力をつけるには体幹を鍛えなければならない。
 チャンはグリップの握り方から、基礎的なトレーニング、ランニング・ストレッチ・筋肉強化トレーニングなどを課した。
 
 今さらなんでこんなことをと錦織は思いもしたが、コーチの指示に従った。
 
 その効果は、勝った試合、負けた試合の打点の比較をデータ的に示すことで、彼に納得させた。つまり、勝った試合ではベースラインに近い所での打点が多い。
 それとダウンザラインのショットを磨いた。
 
 クロスショットに比べて、ネットにかかりやすくラインを外しやすいが、決まった時は相手にダメージを与える。

 そして、わずか1年後には、彼をして「勝てない相手はいない」と言わしめるのである。
 マイケル・チャンによって、彼の長所が鍛えられ、精神的にも成長した。

「相手にしているテニスってどんなものですか?」
 インタビュアーに訊かれた錦織圭はにやっと笑って答えた。
「気難しい女性みたいなものです」
  
「成長するにしたがって新たな壁が現れる。それには自分で答えを出さなければならない。勝ったときには謙虚に。負けた時は潔く。人生と同じです」
 (NHKTV 錦織圭 成長の軌跡より) 


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