昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

運が悪いことから全てが始まった(34)大学時代(17)

2013-11-05 04:17:29 | 小説、運が悪いことから全てが始まった
 足が不自由てもゴルフが出来る!
 これはボクにとって中学で、学校代表として<高峰賞>候補に選ばれた時以来の衝撃的な出来事だった。
「初めてでハーフ63なんて立派なもんだよ!」
 
 朝霞パブリックゴルフでプレイして藤原からおだてられて、それからはひとりで練習場に出かけるほど入れ込んだ。
 
 大学時代の思い出は下宿にまつわることことばかりだ。
 学校で何を学んだんだろう?
 木月の下宿から学校まで、学校の裏の林の中に近道を見つけて通ったことは覚えている。
 二幸食堂や、グリーン食堂で安いカレーなどを食べたことは覚えている。
 
 サミュエルソンの英語の教科書<ECONOMICS>を買ったことは覚えているが、内容については覚えていない。
 
「キミ、そんな偏った姿勢でいたら、後ろに見えるじゃないか!」
 ドイツ語の試験で怖い先生から叱られたことは覚えている。
 後ろの席の友だちから見せろ!と言われたのだ。
「ノート見せてくれないか?」
 当時、大学野球のスターO選手から言われたこともある。
 見かけは真面目な勉学生だったのかもしれない。
 
 しかし授業で何を学んだのか覚えていない。
 覚えているのは下宿で覚えたことだ。
 <麻雀>と<ゴルフ>、社会に出てからこれが役に立つことになるなんて、当時は思いもしなかった。
 好きだから仲間に引きずられて嵌っていただけだったが・・・。
 主体的に行動するタイプではなかったので、奥さんのこともその後妄想していたような進展はまったくなかった。

 ─続く─

 NHKテレビの<きわめびと>に出て来た嘉納愛子さんに目が留まる。
  
 御年106歳!
 山田耕筰に師事した彼女は今でも声楽指導をしている。
「からたちの花が咲いたよ 白い白い花が 咲いたよ」
 生徒の歌に檄を飛ばす。
「どこも同じように歌っていてはダメ! <からたちの花が咲いたよ>は叙事だから説明するように、<白い白い花が>は叙情だから歌い上げなければ!」
「<白い、白い>が<しろい、しろえ>になってますよ! 言葉は大切に!」

「男と同じように勝負してはダメ! お化粧をしっかりして、女として勝負しなければ!」
「神様にお願いしてはダメ! お礼をして感謝しなければ!」
 毎日、屈伸体操や、膝をたたく運動をかかさない。
「血行がよくなるんです」
「来年は7歳になります」
 今なお、かくしゃくとして目が輝いている。
  

  


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