昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(35)明日の記憶(2)経営・ビジネスとは

2010-12-15 06:21:22 | エッセイ
 「こんなオレにでも付いてきてくれるのか」
 アルツハイマーと診断されて落ち込む主人公(渡辺謙)。
「わたしがいるから大丈夫。家族じゃないの」と励ます妻(樋口可南子)。

 しかし、現実は厳しい。今まで自分の寄って立つ場であった会社も冷たい。これまでの実績なんて関係ない。冷たく追われることになる。
「お疲れさまでした」と労ってくれる部下たちの心情を表すシーンが唯一の救いだ。
 

 そして、家計を支えるために外へ働きに出る妻との間にも亀裂が生じる。家の中に居続ける生活と進行する症状は、そこからも彼の居場所を奪う。
 彼は家を出る。山里の自然のなかにある看護施設へ向けて。

 同じようにボケてしまった老人が、それでも生に執着する姿勢に彼は刺激を受ける。
 迎えに来た妻と燃えるような新緑の山間を歩く。
 唐突なファンタジーのようなラストシーンだが、夢のような希望の世界に見るものを引き込む。

 最終的に人間を救えるのは、やはり自然の恵みなのだろうか。
 (・・・今書きながら、ふと年賀状のアイデアが浮かんだ・・・)

 ぼくは現実の自分から、会社人間だった頃の自分に思いを馳せた。
 小さいながらも会社経営の一角を担って希望に燃えていたあの頃、目指す方向は間違っていなかったと思うが、いま振り返ればこの主人公のように、死に物狂いで一生懸命やっていたとはお世辞にも言えない。内心忸怩たるものがある。

 GMのリストラで有名なジャック・ウエルチによれば、経営に必要な3Eがある。
 

 *Energy (エネルギー)
 *Energize (社員にやる気を起こさす。接するだけで嬉しくなる、明るくなる)
 *Edge (断崖絶壁に直面しているような緊張感が必要)

 ぼくの場合、エネルギーも不完全燃焼。部下をやる気にさせるより自分でやってしまう。緊張感もそれほどあったとも思えない。

 自らに反省して、明日から<経営・ビジネス>について勉強してみたい。
 


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2 コメント

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昭和のマロさん、敬意と激励 (松村 茂生)
2010-12-15 21:37:30
マロさん ご無沙汰です。

  毎々、味わい深く示唆に富んだブログを  綴って頂き、敬意と共にそのエネルギー・情 熱に感動しています。

  GEのウェルチ会長の話しが出ましたの  で、昔、管理者研修で講師をした話題を思い 出しました。

* GEのリストラクチャリング(役付者行動   指針←官僚的を打破)…ウエルチ会長提唱
(1)誰に対してもオープンであれ。情報は社   内においては、100%公開せよ。独占   するな。
(2)管理者になるな。情熱とビジョンを     持ったリーダーになれ。
(3)複雑にするな。可能な限り単純化せよ。
(4)あるがままの現実に立ち向かえ。過去や   理想にとらわれるな。
(5)新しいアイディや革新を生み出す創造性   を重視せよ。
(6)素早く動け。自主的に動け。その能力と   責任感を身につけよ。
(7)テイクしたリスクと業績にかなった評価   と報酬を与えよ。
(8)如何なる時にも部下は公正に扱い、その   声に耳を傾けよ。
(9)決して事実をゆがめるな。法の精神と名   の下に誠実であれ。

 もう20年昔の話です。 昨今のビジネスマ ンにも通用するでしょうか?
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感謝! (昭和のマロ)
2010-12-16 09:37:23
 松村茂生様、コメントありがとうございます。
 今から2年半前、貴兄からのコメントが第一号だったことを思い出します。
 心温まるその激励のコメントに支えられ、今日までほとんど欠かさず続けられたと感謝しています。
 さすが一流企業のビジネスマンの管理者指導項目のスマートなこと!。
 今でも充分通用すると思います。
 今日からこのコメントを嚆矢とし、著名人の経営・ビジネスに対する考え方をピックアップしていくつもりです。
 よろしく。
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