昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(78)世界遺産登録

2011-06-29 05:32:41 | 昭和のマロの考察
 <小笠原諸島>と<平泉文化遺産>が大震災で苦難のこの時期に期を一にして世界遺産に登録された。
 
 明るい話題として、現地のみならず日本全体が沸き立っている。
 特に震災地東北地区では、落ち込んでいた観光事業再生のきっかけになるのではと期待されている。
 
 しかし、世界遺産<プレアビヒア寺院>周辺の国境未画定地域の領有をめぐってカンボジアと対立するタイ政府は25日、世界遺産条約からの脱退を決めるという事件が起っている。

 世界遺産の指定を受けた現地では、観光地としてのお墨付きを得たかのように受け止めているが、それにより保護を第一優先にする世界遺産の趣旨が損なわれているという現実もある。
 <白川郷>のように過疎の村は観光地となり、土産物屋街に変貌してしまった。
 
 またイタリアのように世界遺産を多数抱えるところでは、保護予算が追い付かず、 ポンペイのように遺跡が崩れ落ちる危険性があるため禁止地域を設けなければならないところも増えている。
 もう5~6年前になるが、イタリアの保護地区の住民は、重い水を階段で運んだり、冷房もない昔の生活を強いられているという実態も見た。

 世界遺産に指定された地域の人たちが潤うとともに、みんなの大切な遺産として保護されることを願うものである。


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