昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(476)コンピューター脳・藤井総太28連勝!

2017-06-22 03:37:34 | なるほどと思う日々
 中学3年生の藤井総太四段がプロデビュー以来公式戦無敗の28連勝を達成! 
 ボクは10年前、当時無敵・天才と呼ばれた羽生善治永世6冠と本屋大賞「博士の愛した数式」の作者、小川洋子との対談を思い出す。(文芸春秋2007年8月号)
  
 <小川>決着がつくまでに現れる可能性のある局面の数を「探索空間」というそうですが、チェスが10の120乗なのに対し、将棋は10の220乗に及ぶと聞きました。これは地球上の分子の数をはるかに上回ります。私たちの感覚では無限としか考えられない単位ですよね。
 <羽生>持ち駒の再利用には、輪廻転生というか、物質が循環しているようなニュアンスがあります。
 <小川>なるほど、循環しているからこそ永遠なんですね。9x9という限られた空間に無限が隠されているのはとても不思議なことに感じられます。
 <羽生>小川さんは、・・・いま将棋は無限とおっしゃいましたが、小説にも無限の可能性があるのではないですか。
 <小川>小説はルールがないことによって、逆に不自由になっている部分もあるように思うんですよ。好きなだけどこへでも行ける点は自由なんですが、一つの作品ごとに私のこのちっぽけな脳でルールを決めて行かなくてはならない。何百年にも及ぶ自然の摂理のもとに見事なルールが成立した将棋のような世界がうらやましくなる瞬間があります。・・・
 <羽生>将棋も人間には難しすぎるゲームで長くやっているうちに、「分らない」ということがよくわかってくるんですよ。自分が解明できる部分はとても小さいとわかっているのに、なぜ続けるんだという根本的な問いにぶつかることもあります。能力の面を考えても、手をたくさん読む力は20代のころと比べるとはっきり落ちているんですが、メンタルな部分は経験に裏打ちされてたぶん上がっていく。これからは不安に耐え抜く力や怖さに打ち克つ精神力を、盤上で表現したいと思っています。

 そんな羽生善治に藤井総太は14歳にして勝っている。
 今や、コンピューターがチェスや将棋、囲碁さえも制する時代になった。
 
 藤井総太も強くなるための研究用のツールとしてコンピューターを活用しているという。
 彼の<コンピューター脳>は将棋界をさらに揺さぶることになるだろう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿