ボクは部長席でパソコンを使っている。
聞くともなく若者たちの会話を聞いている。
「おごってくれるって話はどうなったの?」
木村なつみが、事務処理をしながら、そっと隣りの中村に話しかけた。
「そうだっけ・・・」
中村くんがとぼけている。
「忘れていないからね。絶対よ!」
なつみの言い方がちょっときつくなる」
「じゃあ、その辺で・・・」
「牛丼とかハンバークじゃだめよ!」
「ちょっと待ってくれよ。もうちょっとでカネがまとまるから。・・・そしたらおごるから」
「何それ・・・」
なつみが中村の顔を見つめる。
「うん。麻雀で勝っているんだ・・・」
「あなたって、麻雀強いんだってね。矢部くんが言ってたわよ」
「・・・」
「あいつ、どうしようもないって・・・あなたギャンブラーなのね」
「そういうわけじゃないけど・・・。そしたらオレの味方になってくれないかな?」
とつぜん中村が、思いついたというように言った。
「味方って?」
「みんな、しっかりして、中村くんなんかに負けないで!ってはっぱをかければいいんだ」
「・・・」
「なつみが言ってくれれば、みんなやる気になるかも・・・」
「あんた周りは敵ばっかりだもんね・・・」
ボクや所長のような年寄りには寡黙ななつみも、中村のような仲間には心を開いておしゃべりになる。
─ 続く ─
聞くともなく若者たちの会話を聞いている。
「おごってくれるって話はどうなったの?」
木村なつみが、事務処理をしながら、そっと隣りの中村に話しかけた。
「そうだっけ・・・」
中村くんがとぼけている。
「忘れていないからね。絶対よ!」
なつみの言い方がちょっときつくなる」
「じゃあ、その辺で・・・」
「牛丼とかハンバークじゃだめよ!」
「ちょっと待ってくれよ。もうちょっとでカネがまとまるから。・・・そしたらおごるから」
「何それ・・・」
なつみが中村の顔を見つめる。
「うん。麻雀で勝っているんだ・・・」
「あなたって、麻雀強いんだってね。矢部くんが言ってたわよ」
「・・・」
「あいつ、どうしようもないって・・・あなたギャンブラーなのね」
「そういうわけじゃないけど・・・。そしたらオレの味方になってくれないかな?」
とつぜん中村が、思いついたというように言った。
「味方って?」
「みんな、しっかりして、中村くんなんかに負けないで!ってはっぱをかければいいんだ」
「・・・」
「なつみが言ってくれれば、みんなやる気になるかも・・・」
「あんた周りは敵ばっかりだもんね・・・」
ボクや所長のような年寄りには寡黙ななつみも、中村のような仲間には心を開いておしゃべりになる。
─ 続く ─