昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(279)戦後70年の日本と世界

2015-10-17 03:25:15 | エッセイ
 昨日、三鷹市民大学の公開講座を受講した。
 講演者の西谷修氏のことは知らなかったが、「戦後70年の日本と世界」というタイトルに惹かれたのだ。
 
      
 雨が降っていたが、思いのほか三鷹市社会教育会館の会場は定員を超える超満員だった。
 130人以上?いただろうか。

 敗戦国日本はアメリカの傘の下、非戦で、復興・繁栄・国際平和貢献してきた。
 今対米追従から「日米同盟」と言葉を変えたが、内容は半永続化してこの枠を抜けられない。
 しかし、冷戦後の変化、中国など、BRICSの台頭とアメリカの相対的衰退の中でアメリカ依存一辺倒は問題なのでは。むしろ近隣中国との関係に関心を持つべきだ。
 と、西谷氏は2時間ほぼいっぱいを分かりやすい言葉で語った。
 
 質問時間が限られる中、小生は1番で質問の手を挙げた。
 内容は想定内だったが、「法制上の人格」の部分に関心を持ったのだ。
 人件費を抑えて競争するグローバル市場は法的なシステムの下に社会全体に不公正や不寛容をまき散らし、人々を分断して生きにくくさせている。
 経済活動の結果、ますます富は一部の富裕層に偏在し、それが政治的にも世界を支配しかねない現状は、おっしゃる通りだと思ったのだ。
 
「80歳も近い身からすれば、そもそも昨今の人類文明は経済問題をはじめ、政治的にもおかしい方へと向かっているのではと思わざるを得ない」とぼくは声を高めた。
 

「わが国は歴史問題で批判されているが、そもそもこの文明がおかしな方向に向かい出したのは、産業革命の時代にまで遡らなければならない」
 

「日本も植民地主義的帝国主義に巻き込まれて不幸な結果を招いたが、それはあくまで西欧の自分さえ良ければいいという強欲な拡張主義的思想に基づいている」
 
 (身勝手な人類は自然界のガンよ!)

「科学の発展は確かに人類に豊かな幸せな結果をもたらしているが、反面、人類を破滅に追いやりかねない核兵器や地球温暖化などの不幸ももたらしている」
  
  
 しかし発言の途中で聴衆から「話が長い!」と批判されたので途中を端折って、
「今後日本が政治的に貢献できるとすれば、人類を破滅に導く<核兵器廃絶>を訴えることなのでは」と絞めた。

 講師からは「核廃絶だけじゃなくて、核エネルギーの使用そのものをやめるべき。確かに科学の発展は問題をはらんでいる。ITの発展も人類に幸福をもたらすだけではないかも・・・」と答えていただいた。

 <好奇心コーナー>
 

 フォルクスワーゲンのごまかしが世界的な問題になったが、我が国でも大手建設会社のごまかしが問題になっている。
 

 これからは<倫理的>な面でも日本は世界に何らかの発信をしていく役割があると思うが。