昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(263)思い込み先走りの日

2015-05-22 04:26:52 | エッセイ
 みたか認知症の家族を支援する会のI代表からお誘いがあった。
「ICUの学生さんが40分ほど時間を使う予定ですが、大澤さんにもご小説の構想についてミニトークを・・・」
 ボクは「レロレロ姫の警告」のことだと思った。
 
 アマゾンで「予期せぬ名作」などという過分な評価を得ていたし、ICUの学生さんにもPRするチャンスと思ったのだ。

 前夜、NHKの<アスリート魂>という番組で、なでしこジャパンのエースストライカー、大儀見優季さんのドイツでの活躍、苦悩ぶりを放映していたのを思い出した。
 ドイツのチームでも期待されていた彼女も、点が取れなくて悩んでいた時期があった。「もっと声を出して、自分にパスを出してもらうようにアピールしなきゃ!」監督に呼ばれて言われた。
 それから彼女は変わった。積極的に自分にパスをするように具体的に声や手でアピールした。
 
 
 
 そして点がとれるようになった。
 

 ボクの人生はまさに<糾える縄のごとし>だった。
 
 その中から、運よく今回中学校の同窓生の支援でこの本は出版できたのだ。
 
 今日のチャンスにアピールしなければ!
 朝方雷鳴が轟いていたが、晴れ上がって爽やかな東八道路をボクは勇んで歩いた。
 

 しかし、求められたトークは「レロレロ姫の警告」ではなくて、今ブログで執筆中の認知症をテーマにした作品<雪舞う日>だった。・・・当然だよね、早合点もいいとこだ。
 
 そして参加したのはICUの生徒さんではなくて、聖路加国際大学看護科のSさんだった。

 しかし彼女の取材の中で、認知症のご家族を持ち介護をされている方々のいろいろなご苦労を知ることができ、<雪舞う日>を執筆する上で多大の収穫があった。
 また、「レロレロ姫の警告」も彼女に個人的にアピールさせていただくこともできた。
 勘違いではあったが、それなりに充実した一日だった。