昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(260)恨みが外交を突き動かす

2013-11-27 05:45:53 | なるほどと思う日々
 中国が<防空識別圏>なる線引きをした。
 
 尖閣諸島も含めて自国領海だと新たに宣言したのだ。
 合わせて、「重大な突発緊急事件に備えて連絡先を登録せよ」と在日の中国人に呼びかけている。
 この宣言により、日本との間に軍事衝突が起きることを予測しているかのようだ。
 習近平中国は今や自信を持って、軍事大国への第一歩を踏み出したように見える。

 「力をつけるまでは能力を隠す」
 中国を新体制に導いた小平は言っていたが、いよいよ習近平は自国に十分な軍事力が備わったと認識したようだ。
 
 彼は就任して以来、中華大帝国への道を標榜している。
 かつて人類の文明発祥の地として、巨大な国家としての歴史を有する中国も、一時アヘン戦争に象徴されるように、列強の蹂躙を許す時代があった。
 
 さらに彼らからすれば<小日本>からも屈辱的な侵略を受けた。
 臥薪嘗胆、今こそ過去の恨みを晴らす時、という思いなのだろうか。

 太平洋戦争終結時、日ソ中立条約を無視してソ連は満州、北朝鮮、南樺太、千島列島などへ侵攻した。
 
 その際、スターリンは赤軍将兵に、その父兄がかって受けた国民的屈辱を雪いで仇をとったのだと、彼らを祝福している。
 
 最近では、韓国の<恨み姫>パク・クネ大統領が日本に対して「1000年経っても日本を恨み続ける」と宣言した。
 

 それに対して日本は<元寇>などの侵略を受けたり、世界で唯一の<原爆被爆国>になったことに対して恨みがましいことを言っていない。
 「楽観的で現状認識が甘い、力不足だ!」と悲しむべきことなのか「恨みにこだわらず、和を貴ぶ」と喜ぶべきことなのか。