現役編集者が主宰する読書ミーティングが1年ぶりに再開した。ただし、今までの参加者から提案された本をまな板にのせて調理するのではなく、今回は編集者が用意した素材を調理するのを拝見するスタイルで、と変わった。?
・・・専門家といえども15人もの参加者から提案された本(新しいのも古いのも)をすべて用意し、読み砕く前作業は並大抵ではないと敬服していたが、大変だったんだろうな・・・
今回のテーマは<半沢直樹>、<村上春樹>、<医者に殺されない47の心得>、<太宰治>、<風立ちぬ>などをキーワードに「こういう時代の読書」について語り、「あなたが、(あなたのために書かれた)本に出会うためのものです」という。
そんな本をどこで探すか、? まずベストセラーとロングセラーから。
<今年上半期のベストセラー>
1.色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(村上春樹)
2.聞く力、心をひらく35のヒント(阿川佐和子)
3.医者に殺されない47の心得(近藤 誠)
<ロングセラー>
1.こころ(夏目漱石)
2.人間失格(太宰治)
3、老人と海(ヘミングウエイ)・・・新潮文庫による・・・
<半沢直樹>、
池井戸潤による小説は読んでなくても、「倍返しだ!」で有名になったテレビは参加者のほとんどが見ていたが、ぼくは読んでも見てもいない。
テレビは水戸黄門の42.2%を抜いて、1977年以降の民放のテレビドラマ史上第一位の視聴率、つれて原作本も累計250万部に。
昔ぼくが読んだ横田濱夫のはみだし銀行マンのような銀行暴露ものかと思っていたが、時代劇的勧善懲悪ドラマのようだ。
<風立ちぬ>
宮崎駿のスタジオジブリ映画だが、従来のものとがらっと趣が変わるもののようなのでぼくは見ていない。
しかし、興行成績は100億円を超えたという。
それに伴って、堀辰夫の作品も読まれているそうだ。ぼくは昔読んでいる。
<太宰治>、
三鷹で執筆したという<人間失格>は大ロングセラーだが、三鷹在住のぼくは読もうと思いながら未だ手に取っていない。<夏目漱石のこころ>は何度も読んでいるが。
<村上春樹>ぼくは<象の消滅>という短編に感銘を受けた。こんなあり得ない話をいかにもという語り口で表現する才に引き込まれ、その後評判になった<ノルウエーの森>を読み、堀辰夫の<風立ちぬ>に通じる文章の美しさを感じた。
本講座の講師によれば、
①ヒロインがセックスアピールを前面に出さずに美しい。
②不幸(病気)がヒロインを襲う。
③美しい風景と季節が恋愛とわかちがたく結びつく。
アメリカの作家リチャード・パワーズに言わせれば「村上春樹の物語はありとあらゆる種類の愛によって支配されています。ロマンチックな愛、家族の愛、仲間同士の愛、セクシャルな愛、古風な愛、孤独な愛、自分勝手な愛・・・」
「私たちは、国籍、人種を超越した人間であり、個々の存在なのです。<システム>と言われる堅固な壁に直面している壊れやすい卵なのです」
エルサレム賞の時の村上春樹の名スピーチ。
彼はデビュー作<風の歌を聴け>のころのデタッチメントから、アタッチメントの作風に変化している。
世界に通じる作者としてノーべル文学賞の対象になっているのも当然かなと思う。
「最近作<色彩をもたない・・・>に自分のことと重ねあうところがあって感銘した。彼の作品の中でも最高だと思う」と、参加者の女性の方から感想があった。
ぼくも読んでみようと思う。
<医者に・・・>作者、近藤誠は昨年第60回菊池寛賞を受賞。医学書では珍しい。
彼のことは以前より関心を持っていた。
医学の最先端を行っているはずの大学病院で治療を受けたにも関わらず不運な結果になった、という体験を持つだけに医学について不信感を持っていたから。
(そのことについて、今、小説<運が悪いことから全てが始まった>というかたちでブログに掲載中)
友人に著名な医者がいて、本音で話し合うことがあるが、医者という権威の中に隠された部分を近藤氏が赤裸々に表に出したということだ。
所定の2時間半はあっという間に過ぎ去っていった。
先生、ちょっと盛り込み過ぎですよ!
・・・専門家といえども15人もの参加者から提案された本(新しいのも古いのも)をすべて用意し、読み砕く前作業は並大抵ではないと敬服していたが、大変だったんだろうな・・・
今回のテーマは<半沢直樹>、<村上春樹>、<医者に殺されない47の心得>、<太宰治>、<風立ちぬ>などをキーワードに「こういう時代の読書」について語り、「あなたが、(あなたのために書かれた)本に出会うためのものです」という。
そんな本をどこで探すか、? まずベストセラーとロングセラーから。
<今年上半期のベストセラー>
1.色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(村上春樹)
2.聞く力、心をひらく35のヒント(阿川佐和子)
3.医者に殺されない47の心得(近藤 誠)
<ロングセラー>
1.こころ(夏目漱石)
2.人間失格(太宰治)
3、老人と海(ヘミングウエイ)・・・新潮文庫による・・・
<半沢直樹>、
池井戸潤による小説は読んでなくても、「倍返しだ!」で有名になったテレビは参加者のほとんどが見ていたが、ぼくは読んでも見てもいない。
テレビは水戸黄門の42.2%を抜いて、1977年以降の民放のテレビドラマ史上第一位の視聴率、つれて原作本も累計250万部に。
昔ぼくが読んだ横田濱夫のはみだし銀行マンのような銀行暴露ものかと思っていたが、時代劇的勧善懲悪ドラマのようだ。
<風立ちぬ>
宮崎駿のスタジオジブリ映画だが、従来のものとがらっと趣が変わるもののようなのでぼくは見ていない。
しかし、興行成績は100億円を超えたという。
それに伴って、堀辰夫の作品も読まれているそうだ。ぼくは昔読んでいる。
<太宰治>、
三鷹で執筆したという<人間失格>は大ロングセラーだが、三鷹在住のぼくは読もうと思いながら未だ手に取っていない。<夏目漱石のこころ>は何度も読んでいるが。
<村上春樹>ぼくは<象の消滅>という短編に感銘を受けた。こんなあり得ない話をいかにもという語り口で表現する才に引き込まれ、その後評判になった<ノルウエーの森>を読み、堀辰夫の<風立ちぬ>に通じる文章の美しさを感じた。
本講座の講師によれば、
①ヒロインがセックスアピールを前面に出さずに美しい。
②不幸(病気)がヒロインを襲う。
③美しい風景と季節が恋愛とわかちがたく結びつく。
アメリカの作家リチャード・パワーズに言わせれば「村上春樹の物語はありとあらゆる種類の愛によって支配されています。ロマンチックな愛、家族の愛、仲間同士の愛、セクシャルな愛、古風な愛、孤独な愛、自分勝手な愛・・・」
「私たちは、国籍、人種を超越した人間であり、個々の存在なのです。<システム>と言われる堅固な壁に直面している壊れやすい卵なのです」
エルサレム賞の時の村上春樹の名スピーチ。
彼はデビュー作<風の歌を聴け>のころのデタッチメントから、アタッチメントの作風に変化している。
世界に通じる作者としてノーべル文学賞の対象になっているのも当然かなと思う。
「最近作<色彩をもたない・・・>に自分のことと重ねあうところがあって感銘した。彼の作品の中でも最高だと思う」と、参加者の女性の方から感想があった。
ぼくも読んでみようと思う。
<医者に・・・>作者、近藤誠は昨年第60回菊池寛賞を受賞。医学書では珍しい。
彼のことは以前より関心を持っていた。
医学の最先端を行っているはずの大学病院で治療を受けたにも関わらず不運な結果になった、という体験を持つだけに医学について不信感を持っていたから。
(そのことについて、今、小説<運が悪いことから全てが始まった>というかたちでブログに掲載中)
友人に著名な医者がいて、本音で話し合うことがあるが、医者という権威の中に隠された部分を近藤氏が赤裸々に表に出したということだ。
所定の2時間半はあっという間に過ぎ去っていった。
先生、ちょっと盛り込み過ぎですよ!