昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

中欧旅行(23)

2009-11-29 06:32:34 | 中欧旅行
 

 <自分のルール>
 昭和のマロさん・・ウイーンでは災難でしたね。災難というのは、不可抗力なのですが、なぜか重なってやってきます。弱り目に祟り目・・あれは本当ですね。
 マロさんのようなホテルの災難の場合は、即刻抗議をするべきですが・・一般的に災難が重なるとき・・やり過ごし方が、大事な気がします。
「じっと動かない」というのも、とても効果的な対処です。
「機を待つ」そして、やるべき時には、一気にやる。
「心の運動」というのは、「じっと待つ」ことも含まれるのだと思います。
 あらゆる状況を想定したうえで、動かない。
 そして自分でルールを決める。「このような状態が来たら、徹底的に、全知全力を掛けて行動を起す」と。

 さみだれ式に、いつでも怒っているのは、疲れてしまいます。
 じっと耐えていて、自分のルールにおける堰が決壊するのを待つ。大事なのはその「自分のルール」だと思います。
 心の運動機能というのは、「締め」と「開放」の両方が必要なんじゃないかしら・・

 高樹のぶ子さんにチューしていただいた気分でした。

 「大変でしたね。そんなことってあるんですね?」
 当日の夜の食事はそんな話から始まったが、同席された方が退職後映画製作の学校に通っているとかで映画の話題に移る。
 
 

 妻が関わっているボランティア連絡協議会の福祉映画会で取り上げた是枝監督の<誰も知らない>という映画のことから、好みが噛みあい話が盛り上る。
 ビールとワイン代を災難でもらった券で支払い、気分良く代替の部屋に入る。

 ところが、平静を取り戻したはずの心がまたかき乱されることになる。
 宛がわれた部屋は、シャワーだけで、野菜の洗い場のような半畳ほどの狭いスペースをビニールで囲ったバスルームだ。
 おまけにシャワーヘッドが一部めくれていて触れると肌が傷つく恐れがある。
 部屋もシングルベッドを二つむりやり詰め込んだようで、狭くて余裕がない。
 窓を開ければ、裏窓が向き合った息が詰まりそうな空間だ。

「619のお客様ですね。昨夜は申し訳ありませんでした。今日はいいお部屋を用意しておきますから」
 翌朝、両替のためフロントに行ったら、フィリピン人のような顔をした目の大きい、歯の真っ白な女性マネジャーが、にっこり笑いかけてきた。
 やはり文句を言わなければ!と意気込んでいたぼくは機先を制せられてしまった。

 ─続く─