飽食山河

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粉を食べ

2017-03-16 16:53:55 | 2016.11

日がな一日

粉を食べ

粉を食べ

太陽がのぼっては

粉を食べ

鳥が鳴いては

粉を食べ

鉄格子の外をちらと見遣り

粉を食べ

粉を食べ

思い出をつづり

粉を食べ

本はなくとも

粉を食べ

うすいスリッパで

粉を食べ

向こうの区画への興味を失くしても

粉を食べ

スピーカーを見つめつつ

粉を食べ

破壊的に

粉を食べ

欠伸しては

粉を食べ

布団の中で

粉を食べ

ほんとうに眠る以外の間は

粉を食べ

粉を食べ・・・・・・

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海の呂律

2017-01-31 16:50:16 | 2016.11

これは海の呂律だろおって

父ちゃんが千円札ぶっこんで

あたし床にすわってコーヒー牛乳呑んでた

 

音が逃げるんだ逃げるんだ

あっちへ百円こっちへ十円

父ちゃんはチョコレートを出してくれる

 

こんど遊園地へ行きたいな

空を飛びたいんだ

お母さんに手を振ってさあ

 

真珠よりもパチンコ玉はきれいだと思うよ

ずっしり重いしさあ

どこまでも転がるしさあ

 

キャーまた波がくるよ

海がどぶっと息を吐く

呂律だろおって父ちゃんが云う

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イチョウ・師走前

2016-12-30 22:45:36 | 2016.11

  イチョウ

 

イチョウはきちんと小さな

イチョウの形をしている

朝が来るまでに

誰にも

お日さまにさえも

目撃されないイチョウ

私はかげろうみたいに軽くなりたい

イチョウがまだ月灯りの白でしかないうちに

祝いたい

 

 

 

  師走前

 

ここんとこ夢が口から出て行くんだよ

出たり入ったり

冬が近いからだろうか

やわらかい枕がぴったりしてね

満腹の動物はこんなふうに眠るのかって

重力に負けちまうんだね

誰か挨拶にきても

しらないよっておことわり

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飴をくれ

2016-12-25 18:08:38 | 2016.11

飴をくれって直感がいうんだ

麦藁の下にある

今年の夏で半分以上かたちをなくした

緑のと

黄色のと

そういえばまた

麦藁を洗わずに来年になりそうだ

 

貧血がくるんだ

毎月毎月血を作るから

耳がキーンと鳴ると飴を舐めればいい

風だって地震だって

寝床があるからってどうにもなんないだろ

 

二つ目は黄色

濃いってことは知ってる

なるべく長く痺れていたい

体の中にいつだってあるし

瘤だのエラーだの

今際のときにはそうだな

また何かくれよ

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三角形の人

2016-12-22 16:19:13 | 2016.11

三角形の人でした

どこから見ても

下から見ても

内から見ても

三角形でした

私にとってあなたは

丸と線分をごった煮にした

えらくかたい三角形でした

研いでましたね

クリスマスが近いと言って

ありとあらゆる飾りは三角

私の重たいコートには

三角の雪がたくさん刺さったものだ

横見ると

私が横見てました

その次の私も横を

部屋で賞味期限切れのビールを

これは規則外だと言って飲みました

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パズル

2016-12-17 17:09:34 | 2016.11

わたしのせなかごしにあなたをだいて

あなたのひざのちゅうしんからうちがわへ

せまくせまくわたしがだきしめる

ゆめをうごかすみみのふちをちぎりながら

ゆびのあいだのいちばんつめたいばしょをみうしない

かみがいんりょくのままじめんにはんぱつするように

あなたのおへそごしにわたしをよんで

 

これらぜんぶをすっかりわすれたあとに

だいどころをちゅうしんにさいぼうをくみたてて

すきまを1みりのこしてふたりをはなして

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原風景荒れ野

2016-12-16 17:11:53 | 2016.11

おまえ手の皮がぼろぼろじゃないか

いつものことだよ

痛くないのか

痛いよ

わかったからおつかいに行ってくれ

今日もお母さんは遅いんだから

こっちはこっちでしておくから

鍵しめてな

 

石ころと雑草だらけの谷

あんな高いトタンのヘリを

ねこが器用に歩いてら

おれはこっそり

千円札を右と左のポケットに分ける

ねこじゃらしの草を抜いて

電柱のところまで王様みたいに歩く

 

とんかつ屋で待っていると

靴の左右がバラバラなことに気付いた

あっち向いたりそっち向いたり

そこできっとねこじゃらしを落としたんだろう

帰らなくちゃってその時は

そのことだけだったから

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地震のあった朝

2016-12-13 17:32:21 | 2016.11

耳の奥がいつまでも熱を持つから

夢にたどりつけないでいる

夜よ すまない

また今度にしてみるよ

秋の朝は暗くはじまる

いつまでも明けないと思ったら

そこは夢なんだ

地震があったみたい

だけど布団をかぶりなおしてねた

夢をたくさん見るのは不安でいっぱいだからか

たまにどうしようもないことを考える

揺れている

いや 目玉が落ち着かないだけかも

くちびるがとろけそうな

熱く恥ずかしい夢を見ていた

おかしいな

純文学ではなく

幾何学の本を読んで眠ったのに

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土足の人

2016-12-08 16:52:49 | 2016.11

土足の人の足の裏

なめたくないなあ

土足の人の手の平は

指紋ないほど擦り切れてるで

愛情ないなあ

小犬扱いや

土足の人 土足の人

いっぱい汚してくれるわ

そんな人といっしょに

きれいな食べもん無理やなあ

からだ全部網戸にして

スースーすり抜かしたろか

残念ながらそこまで

繊細な相手でないからな

こっちが米ぬかなら

むこうは電気釜や

ごっつい土足

今日ものしのし歩いてはるわ

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なし つぶし

2016-12-06 17:04:01 | 2016.11

なしのつぶてのなしは

ぎんなんとなり

アパートを黄色く包む

なし なし なし

つぶし つぶし

 

ヒヨドリが帽子を逆立てて

葉をついばむ

なし なし なし

四時半のオートバイ

つぶし つぶし

 

もし川が溢れたら

あの木のてっぺんで眠ろう

冬まですっかり枝になり

千年万年生きるだろう

なし なし つぶし なし なし なし

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