極個人的発言録Blog

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「湾岸ラプソディ」 盛田隆二

2009-10-21 09:41:27 | 読んだ本
ある女性に関する「失踪宣告申立書」から始まる物語。
その女性が失踪、いわゆる「蒸発」に到るまでの経緯をなぞる。

言ってしまえばただの駆け落ちの話。
就職活動真っ只中の俊介と複雑な家庭の主婦 裕里子。
若い俊介が裕里子との許されざる恋にのめり込み、それまでの人生の全てを賭して突っ走っていく。

現実の社会はそんな夢うつつのような2人には決して甘くはない。
駆け落ちという「日陰の道」を進むことは生半可なことではない。

日々の中で堆積する疲労は焦りを生み、焦りは衝突を呼び、すれ違いへとつながっていく....。

残るはお互いの想いだけ。

若さ故の暴挙、浅はかな暴走.... 冷静に考えたらそれ以外に考えられないだろう。
でも、一方で、そんな一途な生き方に憧れさえ覚えてしまう。
絶対に自分にはできない。だからこそ。


人は誰しもその人生の中でいくつもの岐路に立たされる。
目の前の分かれ道のどれを選ぶのか、大いに悩み、そして決断する。
選んだ道が正しいのかどうか、それは誰にも分かり得ないことだ。

いや、「正しいのか正しくないのか」ではなくて「正しくするのかどうか」なのかも知れない。

この物語の人たちは皆、迷いながらも道を選び、その選択を信じようともがきながら生きている。
そのもがき様が切ない。


詳しく「湾岸ラプソディ」をチェック!



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