平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

~してございます。

2012-11-24 15:00:52 | 雑談
「なので」を文頭に使う、「なるほどですね」、「あるじゃないですカァー」、語尾上げ言葉、等々嫌な言いまわしを挙げればキリがない。最近気になっているのは「~してございます」だ。大学教員や技術者がよく使う。たとえばこれだ

○東京電力(西村) では、進めさせていただきます。
初期地盤物性でございます。こちらは地盤でございますので、左側に標高をとってございますが、それから解放基盤に相当する位置までの初期物性をここに示してございます。順に層厚、地質、初期S波速度、初期P波速度、単位体積重量、ポアソン比、初期剪断弾性係数ということで示してございます
この図中、埋めもどし土と書いてあるところにつきましては、データの取り方として、予備転圧試験データから取ったデータを使っています。それから、西山層に相当する部分については、原子炉建屋直下のボーリングの調査のデータに基づいてございます
こういった解析をする際に必要となる関係で、ひずみの依存特性ということで、左側が埋めもどし土、それから右側が西山層を記してございますが、それぞれ剛性低下率と減衰定数と有効ひずみとの関係を示してございます。これも試験データに基づいたものでございます。等価線形解析を行う場合、先生方ご案内のとおり、この図に従って、ひずみに応じた減衰あるいは剛性を採用するということでございます
続きまして、水平方向の地震動の推定に用いる地震動応答解析ということで、この図で示してございますのはそれぞれの入力をどこから与えるかということを示した図でございます。冒頭ご案内しました建屋のモデルに対して、一次元波動論で算出されます入力をこの図に示した位置、ばねの外側から入力をして、建屋を揺するというようなことでございます
先ほど申しましたのは順番に下から上げていく時はそういうことをやるということでございますが、ここで行ってございますのは基盤波を推定するということですので、これは前回もお話しさせていただいたかもしれませんが、ここで行っていることを再度ご案内申し上げますと。これは左から右へ進めてまいります。まず最初に①とありますように、伝達関数を算定するということで、解放基盤表面である地震動を設定いたしまして、それが上に伝わる間にどういう増幅あるいは減衰の特性があるかということを計算してまいります。その結果、基礎上で応答値が得られますので、基礎上の応答値と解放基盤での入力の比を伝達関数としてみるわけでございます
その次のステップでございますが、こちらでは基盤波を推定するということになるわけですけれども、ここで観測記録をまず使いまして、先ほど①で求めました伝達関数から、逆に今度は地盤での推定基盤波を一たん仮決めてございますけれども、計算いたします。評価いたします。
その次のステップで、今度推定した最初の推定基盤波を入力いたしまして、今度またそれを上に上げて基礎版上の応答がどうなるかということをもう一回計算します。この際には、地盤の非線形性を考慮してまいります。
そうしますと、④、上のところにちょっと書きました④の基盤波の補正というふうに書いてありますが。基礎上の観測記録と応答波形の比を推定基盤波に乗じて今度推定基盤波を補正する必要があります。というのは、④にありますように、③で得られた基礎上の応答値は観測記録と異なってまいりますので、その今度補正をするという作業が必要になります。
それを何度か繰り返しまして、最終的に⑤というところになりますが、観測記録と応答値が概ね整合したところでこちらの推定基盤波はこうであろうということをセットいたします。

ねぎ注)赤字はNG、青字はOK。

「ございます」の山盛りである。「ございます」は、本来「ある」の丁寧語であるが、ここでは「いる」の丁寧語として使っている。NHKの見解によると、このような使い方は必ずしも誤用ではないようだ。その根拠として、森鴎外や島崎藤村らの文豪が小説の中で使っていることを挙げている。しかし、著名な小説家が使っているから正しいというのは根拠薄弱だ。彼らが間違えている可能性もある。正当性の根拠を権威に求めるのはいかにもNHKらしい。いずれにせよ、私にはたいへん耳障りだ。下手な敬語より、「あります」「います」の方がよほど丁寧で上品だと思うのだが。