いろいろなお酒が並んでいて自由に飲める時、すべての銘柄を試してみることもあれば、気に入ったものを繰り返し飲むこともあります。3月最後の土曜日、またまた蔵開きへ行ってきました。前の2回は単一の蔵元の蔵開きでしたが、今回は蔵元が集まるエリア全体の酒蔵まつりでした。十数回目ということで毎年楽しみにしている人が多いのか大賑わいで、試飲するのに人を掻き分けなければならないくらいでした。それぞれの蔵で用意している試飲用のお酒をとっかえひっかえ飲んだり、出店の厚揚げや焼き鳥を肴に物販コーナーで買ったお酒を飲んだりしていると、あっという間に時間が過ぎていきました。引き上げるまであと1時間ほどになった頃、最後にもうひとつ回ろうと訪れた蔵の試飲は有料制でした。蔵の中に設けられた試飲スペースでは、いくつかのテーブルに3種類ずつお酒が並んでいました。どれも美味しくて、初めのうちは全部の種類を飲んでやろうと思っていました。しかし、その美味しいお酒の中でも白眉と思われる、特に私の好みに合ったお酒に出会ってからは、もうそれ一辺倒になりました。むふ、むふふとにやけた顔で同じお酒を繰り返しおかわりしていると、注いでくれる量が少しずつ少なくなってきました。寂しい気持ちになりながら腕時計をみたら、そろそろ帰り時間です。そのお酒をお土産に買いたかったのですが、平成24年に汲んだお酒でもう市場には出ていないとか。貴重なお酒が飲めた嬉しさと、もう飲めないのかという名残惜しさの入り混じった気持ちで家路に就きました。とは言え、今年の3月に出掛けた蔵では、どこも美味しいお酒が飲めました。きっと、むふ、むふふとにやけ顔になる出会いがこれからもあることでしょう。
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