今日の朝日新聞朝刊にメルケル独首相が浜離宮朝日ホールで行った講演の全文が掲載されていました。その中で、戦争に対する歴史認識について次のように述べています。「悲惨な第2次世界大戦の経験ののち、世界がドイツによって経験しなければならなかったナチスの時代、ホロコーストの時代があったにもかかわらず、私たちを国際社会に受け入れてくれたという幸運です。どうして可能だったのか? 一つには、ドイツが過去ときちんと向き合ったからでしょう。そして、全体として欧州が、数世紀に及ぶ戦争から多くのことを学んだからだと思います。」 これを読んで、先日、友人がつぶやいたことを思い出しました。つぶやきは、文官が武官よりも優位に立つ文官統制を定めた防衛省設置法12条の改正に関するものです。中谷防衛相が記者から「文官統制は軍人の独走を許した戦前の反省に基づく規定だが」と問われた際、防衛相は「その法律は、私が生まれる前に出来たものだから、当時の趣旨は知らない」と答えたそうです。友人はこの発言に触れ、「法律の趣旨を知らずに法律の運用、解釈は出来ないのに、ましてやその条文を改正しようなどとは・・・」と驚きを隠さず、「何という言葉の軽さ」と憂い顔でした。さて、メルケル首相はこうも語っています。「(独仏の)和解は、今では友情に発展しています。しかし、隣国フランスの寛容な振る舞いがなかったら、可能ではなかったでしょう。ドイツにもありのままを見ようという用意があったのです。」 過去ときちんと向き合おうとしない防衛相の発言を隣国の人たちがどのような気持ちで聞いたかを思うと、私も友人と同じ憂いを感じずにいられません。
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