花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

「いのちの重さ」の軽さについて (上)

2013-11-23 10:51:01 | Weblog
 先週の土曜日、山梨県の西沢渓谷へ行きました。紅葉は終わっていると思いましたが、木の枝にわずかに残った錆色の葉っぱと渓谷を流れるコバルトブルーの流れの取り合わせは、秋の終わりが近づいている中、晩秋の風情があったいいかもと期待して出掛けました。JRの駅で電車を待っていたところ、三鷹駅で人身事故があったとかで電車はなかなか来ません。新宿駅発の特急に間に合わせるため地下鉄で新宿へ向かい、発車予定の10分前に着くことが出来ました。新宿駅では中央特快が各駅停車になるなど、ダイヤの乱れを告げるアナウンスが次々に流れていました。私が乗った特急は10分遅れで出発。立川には20分遅れ、八王子には30分遅れで到着しました。秋晴れの行楽日和の土曜の早朝、相当たくさんの人たちが影響を受けたことでしょう。
 ところで、前に何かで読んだ文章に今でも頭に残っているものがあります。要旨は次のようなものです。「朝のラッシュ時、人身事故で電車が止まると、慌てて携帯電話で連絡を取り始めたり、舌打ちをしたり、うんざりした顔をする人で車内はいっぱいになる。今この時、ひとつの命が消えたというのに誰もそのことを考えてやしない。」 きっと、私が乗った電車や中央線の各駅、各電車でも三鷹駅でひとつの命が消えたことを受け止めもせず、やれやれと思っている人がたくさんいたことでしょう。